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» 2017年09月13日 10時00分 公開

レーシングカーを学生が手作り!? 「学生フォーミュラ」の設計シミュレーションを支える高性能マシン「G-GEAR」 (1/2)

学生が自ら設計、製作した車でレースに出場する「全日本 学生フォーミュラ」。東京理科大・機械工学研究会で行われている「ものづくり」の現場を取材した。

[PR/ITmedia]
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 「全日本 学生フォーミュラ」という大会をご存じだろうか? 学生が自ら構想、設計、製作した車を持ち寄って、そのコストやデザイン、性能、効率など競うというもので、2017年9月5〜9日に静岡県袋井市の小笠山総合運動公園ECOPAにて第15回が開催された。

 車好きは世の中に多いが、外観や既製パーツをカスタマイズするのではなく、フレームからオリジナルを作る人はなかなかいない。しかも仕事ではなく学生の部活動、つまり「やりたい」という情熱をチームで共有して完成まで持っていくのだから相当ハードルは高い。

学生が設計、製作したマシンでレースに挑む「全日本 学生フォーミュラ」を取材した

 そんな学生によるものづくりの現場でも、TSUKUMOの高性能なPC「G-GEAR」が役立っているとか。一体、どんなシチュエーションで利用しているのか。第15回大会に出場する東京理科大の「Tokyo University of Science Formula Racing」(機械工学研究会)を取材し、プロジェクトリーダーの森勇人さんに話を聞いた。

※内容は2017年8月に行われた取材を元にしています

海外チームも含めて100校が参戦する「全日本 学生フォーミュラ」

── 機械工学研究会の活動について教えてください。いつから学生フォーミュラには出ているのでしょうか?

 機械工学研究会としては、2004年の第2回から代々出場していて、今年で14回目になります。学生フォーミュラは、当初は30、40校ぐらいだったと聞きますが、最近では100校前後が出場するほど増えています。大学だけでなく、高専や専門学校、さらにヨーロッパ、中国、インドなどの海外勢も参加しています。

── 世界大会もあるのですか?

 そうですね。「フォーミュラSAE」というシリーズがあって、日本はその大会の1つです。海外ではドイツやオーストラリア、アメリカなどで大会が開かれています。

東京理科大学のキャンパス内にある機械工学研究会

── 過去の戦績は?

 過去最高の順位ですと、90数チームあったうちの9位です。それが3年くらい前でしたが、そこから順位落としていて、今年は上位入賞を目指してがんばっています。

── 森さんはどんな動機で入部したんですか。やはり車好きだったり?

 車好きも多いですが、自分は小学校の図工感覚で入ってしまいました。入学したてのときに部のガレージで溶接を見せてもらって、「あっ! これスゲーな」と思って、本当それにつられて入った感じです。

── 自動車部とはまた違うんですよね?

 そうですね。車を買ってきて、それを改造するのとは違い、ほぼゼロから作ることになります。

仲間とのコミュニケーションが大切

── しかし、車という大きなものを作るにあたって、在学中の4年だけで技術を習得するのは大変じゃないですか?

 いや、実はもっと短くて、自分たちの部活では3年の前期で卒部になってしまうんです。

── 早い!

 4年に入ると院試や卒検で忙しくなってしまうので、他の大学に比べて1年早いんです。だから毎年先輩方に引き継ぎ書をもらって、設計のノウハウや実際の作り方を伝授してもらっています。やはり1年生のときは知識がないので個人で勉強してもらう形になりますが、2年になると来年の出場に向けて設計を始めて、3年では毎日ガレージにいるような生活です。

8月に行った取材時、ガレージでは9月5日から始まる大会に向けて製作の真っ最中。すでに試運転は済ませているがその後の調整作業で完成までの進捗は70%ほどという状態

── それは部員で役割が分かれている感じでしょうか?

 今30名ぐらいの部員がいるのですが、だいたい13班に分かれています。大きくシャシーとパートレ(パワートレイン、エンジンの動力を車輪に伝えるための装置)の部門に分かれていて、シャシーはボディーのフレームや足回り、ブレーキ、カウル、エアロなど、パートレは吸気、排気、冷却、伝送などの担当になります。

── そうして別々の担当が設計して最終的に合わせるのはかなり大変そうです。

 そうですね。そのために「今年はこういうマシンにしよう」とコンセプトを決めて、設計を統括している人の意見を元に色々と調整していきます。エンジンはHonda様からの支援があるのですが、フレームなどほかのものは1から作り直さなければいけないという大会の決まりがあって使い回せない。その新しいことにチャレンジするときにノウハウがないので、どういう風に作ったらいいかと毎年苦労はしてます。

── 先輩から引き継いでデータで見るのと、自分で作ってみるのとは全然別という。

 それはあります。もちろん3年生が2年生を引っ張って、一緒に製作して教えたりはしていますが。

学生の手でいちからデザイン・設計したマシンを組み上げていく

── 東京理科大のマシンのウリはどこになりますか?

森 その辺は代によって変わってきます。去年だとサスペンション回り、足回りがすごくよい設計だとほめられていました。今年は自信があるとしたら、レイアウトに力を入れています。

── レイアウトとは?

 例えばエアロパーツの効率を上げようとするときに、その目の前に障害物があるとダウンフォース(車体を地面に押し付ける力)が上手く働かないのですが、今年はレイアウトを洗練させて、なるべく阻害しない配置にしました。

── そうした車作りで一番大切なのは何だと感じていますか?

 やはり仲間とのコミュニケーションですかね。一人で作っているわけではないので、上を目指して本当によい車を作るなら、日々のコミュニケーションが大事で。ちょっと話し合うだけでもインスピレーションが刺激されたりっていうのがあります。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2017年9月20日