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» 2017年11月20日 10時00分 公開

生産現場を訪ねる:国産PCメーカーの老舗 エプソンダイレクトの信頼感はこうして作られる (1/3)

長い歴史を持つ国内BTOパソコンメーカー、エプソンダイレクトの生産現場を訪問。法人ユーザーから支持されている高い品質や信頼性の秘密を探った。

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スペックを柔軟にカスタマイズできるBTOパソコン、選ぶポイントは?

 パソコン選びのポイントはスペックや価格だけではない。オフィス用PCであれば納期が要件になる場面は多いし、万が一に備えたサポート体制も無視できない。何よりカタログスペックには現れない品質の高さが重要なポイントになる。ここでは国産BTOメーカーの老舗、エプソンダイレクトの工場を訪れ、商品企画から、設計、生産、サポートまで、それぞれの担当者に話を伺い、同社のモノ作りに対するこだわりを聞いた。

長野県安曇野市にあるエプソンダイレクトのデスクトップPCの生産工場。1日最大500台を生産できる設備を有している。また、PCの修理フロアも備えている

お客様の声を商品企画に生かし、より使いやすいものに

―― まず初めに、商品戦略についてお聞かせください。商品を企画するうえで重視していることは何でしょうか?

藤森氏 一番重視しているのは、当然お客さまです。特に当社製品をすでに使っていただいているお客さまを大切にしています。我々は数年前から法人のお客さまに対して「ヒアリング活動」を行い、実際に訪問させていただきまして、どのように使っておられるか、何かお困りごとはないか、ご意見やご要望を伺って、それを製品企画、開発へとフィードバックしています。

技術部技術1グループ主任の藤森研太郎氏

―― そうしたフィードバックが反映されている製品を具体的に教えてください。

藤森氏 例えば、PC周りはホコリがたまりやすいので、掃除しやすくしてほしいというご意見をいただきました。そこで、デスクトップPCのフロントマスクから段差をなくしてフラットにするとともに、サイドのファンの吸気口の部分にはフィルターを付け、どちらもサッとホコリを拭き取れるようにしています。

 また、Endeavor AT993Eというモデルでは、「シリアルを増設したいがPCIスロットは別のボードのために空けておきたい」というご要望を反映し、リア側のケースに直接増設できる専用のスロットを用意しました。これにより、PCIスロットを使わず、シリアルの増設が可能になりました。

 このほか、USBやHDMIケーブル抜けに対する不安があるという声から、抜け抑止のフックを用意しました。また、離れた位置から電源操作ができる外付け電源スイッチも用意しています。これは、Endeavor ST20E、ST180Eといったコンパクトな製品をディスプレイの背面に背負わせ省スペースな一体型として使う時に、PCの電源を入れるのにモニターの後ろに手を入れるのが面倒だと相談を受けたことがきっかけです。

―― 法人ですとセキュリティ関連の要望も多いと思われますが?

藤森氏 そうですね。セキュリティに関しましてもさまざまなご要望に対応しています。当社ではお客さまが各USBポートに対して1ポート毎で無効の設定ができるようなUEFIのメニューをご用意しています。例えば、ラックマウントで使われるお客さまが、セキュリティを考慮してUSBポートをフロントだけ無効にしたい場合も1ポート単位で無効にできます。より強固なセキュリティが求められる現場に向けて、ハードウェア的にUSBポートが一切使えないようにした「セキュリティー強化モデル」もございます。

 また、UEFIセットアップに関しては、冷却ファンの設定をお客さま側で選んでいただけるようにしています。基本はファンのコントロールをしており、最大負荷がかかった状態でも問題ないような設計にしているのですが、「うるさくてもいいから可能な限り冷却を強化したい」というご要望をいただいたことから、ファンをフル回転するメニューも追加しました。使用するファンについてもこだわっており、厳しい審査を行い、2ボールベアリングの高品質モデルを採用しています。

顧客のニーズを積極的に取り入れて製品企画にフィードバックしている。拡張スロットを占有しないシリアル、パラレルの実装。ケーブルフック、外付け電源スイッチなど、さまざまな仕様が顧客の声から生み出された

オリジナル設計により、BTOの多様性と信頼性を両立

―― 開発のこだわりについて教えてください。

藤森氏 当社のPCはBTOに大きな強みがあると考えております。BTOのPCというのは、パーツ単位で問題はなくとも、組み合わせたときに問題が生じるということがあります。さすがに4億通りすべての組み合わせを実際に検証することはできませんが、そうしなくても信頼性が担保できるよう、開発段階から取り組んでいます。

 BTOといっても汎用パーツを組み合わせるだけだとどうしても物理的に干渉したり、放熱設計が狂ってしまうということが出てきますが、我々のPCは、シャシーもマザーボードもライザーカードも電源も、すべてオリジナルで設計しています。基板やシャシーの設計段階からBTOを前提にしてオリジナルで作り込むため、干渉などの問題は起きません。

 その他のデバイスとの組み合わせについても、熱設計や負荷設計などは一番シビアな条件できっちり検証しています。この辺りは長年蓄積してきたノウハウに則って検証を行ない、信頼性を担保している部分ですね。

―― オリジナルというのは汎用品をカスタマイズしたものではなく、完全な新規設計ということでしょうか。

藤森氏 その通りです。製品のコンセプトに合わせてシャシーやマザーボードを新規で作り込んでいます。オリジナル設計ですと汎用のフォームファクターの制限がありませんので、省スペース設計を詰められることも大きな利点です。先程のEndeavor AT993Eのような省スペースなボディーでもフルハイトの拡張スロットが使えて、柔軟なBTOができるのもオリジナルならではです。通常はタワー型のケースでなければできないようなBTOも、省スペースデスクトップで実現できるのが当社の強みです。

―― オリジナルパーツの開発にあたって、BTO以外に重視していることはありますか?

藤森氏 実装部品の品質ですね。コンデンサーの特性、メモリやメモリソケットの端子の金メッキの厚みなど、こうした仕様をすべて洗い出し、それぞれ検証を行って、当社が認めた部品しか使用しないことを徹底しています。動作するかしないかといった当然のことではなく、長期運用を前提としてプラスアルファのマージンをしっかりとった「エプソンダイレクト品質」で判断します。我々の方針として、品質を落としてまでコストダウンすることはありません。

―― 厳選したパーツを使用したマザーボードの生産など、品質管理が大変ではないですか?

藤森氏 品質担保のために、海外ベンダーや協力工場とは綿密なコミュニケーションを行っています。こちらも長年のノウハウがあるのですが、品質担保の最大のポイントとして、独断での部品の中途変更をいっさい認めていません。例えば、部材の供給事情などからマザーボード上のICチップ1つ変更する場合でも、必ず事前に報告を受け、こちらで検証、評価を行なってから導入するようにしています。マザーボードの場合には検証に1〜2カ月かかりますが、その手間やコストは惜しみません。もし委託先の企業が無断で変更を行なったとしても、それを見付けるシステムを持っていますので、ごまかしはいっさいできないようになっています。

―― ストレージやグラフィックスカードなどのデバイスの選定についてはどうでしょうか?

藤森氏 もちろん、オリジナル設計の部品だけでなく、デバイスも同様です。当社の基準で検証、評価をしてから採用しますし、ファームウェアなどに変更の必要が生じた場合も、事前に報告を受けて、当社で十分な検証を行ってから導入します。

―― こうした評価、検証というのは具体的にどのようなことをしていますか?

藤森氏 エプソングループでさまざまな試験装置、設備を保有しており、我々はそれを使える環境にあります。例えば、室温を変えられる環境室、振動試験室、騒音測定室、EMC測定ラボ、X線分析器といった設備があります。また、エンジニアの「フィーリング」という部分も重要視しています。例えば、電源ボタンを押し込んだとき、USBポートにコネクタを差し込んだとき、不安な感じがないかどうか。何回も耐久テストする、というだけでなく、やはり人間が使うものですので、最終的にはコストをかけてでも人の手で検証しています。

シャシー、マザーボード、ライザーカードもすべてオリジナル設計。BTOに対応できることを前提に設計段階から作り込んでいる。省スペースでありながら柔軟なBTOに対応できるのは、汎用フォームファクターに縛られることなく最適化できるオリジナル設計ならではだ

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提供:エプソンダイレクト株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2017年11月30日