ハイエンド性能を最大まで引き出すデュアル水冷! サイコム「G-Master Hydro X470A」を試す(2/2 ページ)

» 2018年05月31日 10時00分 公開
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Ryzen 7 2700XゲーミングPCのお手本のような構成

 それでは内部パーツについて詳しく見ていこう。CPUは前述の通り、Ryzen 7 2700X。これは第2世代Ryzenの中でも最上位のモデルだ。8コア・16スレッドに対応しており、現在同じメインストリームプラットフォームでは、ライバルに8コア・16スレッドモデルが不在ということもあり、このクラスではトップのマルチスレッド性能を体感できる。

 特にポイントとなるのが、Ryzenを始め昨今のCPUに搭載されている自動オーバークロック機能だ。現在のCPUでは、十分に冷えた状態では定格クロック以上に高いブーストクロックで動作する。冷却性能の高い水冷システムを組み合わせれば、このブーストの効果が高まり、持続時間が長くなるというわけだ。また、第2世代Ryzenでは、ブーストクロックがスレッド数に応じてスケーラブルに制御される。かなり柔軟な制御が行われ、スレッド数に関係なく高いパフォーマンスを得られる。

CPU-Zの画面。CPUは第2世代Ryzenの最上位、Ryzen 7 2700Xだ。8コア・16スレッドでメインストリームではトップクラスのマルチスレッド性能を持つ

 メモリは標準構成がDDR4-2400の4GB×2枚(8GB)で、今回のカスタムモデルはDDR4-2666の8GB×2枚(16GB)に強化されていた。

 メモリはBTOの自由度が高く、低価格に配慮した標準構成ではやや低速、かつ小容量の構成になりがちだ。逆に、予算に余裕があれば、Ryzenの標準的なスピードであるDDR4-2666としたいし、できれば現在標準の16GBあたりまでカスタマイズしたいところ。なにせ今回のカスタムモデルの場合、GeForce GTX 1080 Tiが11GBのメモリを搭載しているので、メインメモリ側がそれよりも少ない状態というのはあまりお勧めできない。

 グラフィックスカードは全て水冷を採用する。標準構成はGeForce GTX 1070 Tiを採用し、BTOではGeForce GTX 1080およびGeForce GTX 1080 Tiを選択可能だ。

 GeForce GTX 1070 Tiと1080の価格差は1万円強で、1080 Tiは1070 Ti+3万円半ばといったところだ。ちなみに、カスタムモデルのラジエーターにはNoctua NF-F12 PWMが採用されていたが、このNoctureは静音性で特に定評あるファン&CPUクーラーブランドで、実際、カスタムモデルは高負荷時でも動作音がほとんど気にならなかった。

 今回のカスタムモデルはGeForce GTX 1080 Ti搭載グラフィックスカードを装着しているが、動作クロックはレファレンス通りの定格モデルだ。少しでもパフォーマンスを求める方にはオーバークロックモデルも魅力かもしれないが、定格である分、電力効率がよく発熱も少なく、それを水冷で冷却するから熱の不安がなく安定して動作するというメリットがある。

 さらにいえば、一般的な水冷のデメリットとして、水冷システムのヘッドが当たるGPUチップは冷える半面、メモリや電源回路といった他の発熱部品が冷えない点が挙げられる。しかし、このグラフィックスカードはサイコムオリジナルで、水冷&空冷のハイブリッド仕様となっており、カード全体が問題なく冷えるのが特徴だ。

GPU-Zの画面。GPUやメモリのクロックはリファレンス準拠

 ストレージは、標準構成でSerial ATA 3.0接続の2.5インチSSDを採用し、500GBモデルを搭載する。HDDではなく最初からSSDというのがハイエンドモデルの証だ。

 ただし、さらなるハイエンドを求める方は、そのSSDがどれだけ速いか、データドライブは何を組み合わせるのかといったところが気になるだろう。

 今回のカスタムモデルは、ゲーミングPCの定番である高速SSD+大容量HDDという組み合わせだ。システムドライブにはPCI Express 3.0 x4接続でNVMe対応のM.2 SSD 512GBモデルが、データドライブにはSerial ATA 3.0接続の3.5インチHDD 1TBモデルを搭載している

CrystalDiskInfo(画面=左)とCrystalDiskMark(画面=右)の結果。CドライブはIntel SSD 760p「PEKKW512G8」512GBにカスタマイズされていた。M.2 NVMe SSDで、転送速度はシーケンシャルリードで3116MB/秒。速さは十分で、このクラスでは容量コストも安く、価格も速度も求めるなら良い選択だ

CrystalDiskInfo(画面=左)とGrystalDiskMark(画面=右)の結果。Dドライブは東芝「DT01ACA100」にカスタマイズされていた。デスクトップ向けモデルであり、コスパの高い1TB級HDDだ。速度はシーケンシャルで180MB/秒台、4Kは1桁MB/秒と、データ用として用いるのが適している

 電源ユニットは、SilverStone製のATX電源「ST75F-GS」を搭載していた。出力は750W、変換効率は80LUS Goldグレードの製品だ。フルプラグイン仕様なのはポイントだろう。裏面配線できるケースを採用しているため、ケーブルじか付けだったとしてもキレイに隠せるが、フルプラグインならさらにキレイに見せることができる。このあたりがサイコムのこだわりだ。

フルHD最高画質は余裕。4Kプレイも高画質以上が狙える

 それではベンチマークテストの結果を見ていこう。総合的なPCのパフォーマンスを評価するPCMark 10では、Extended TestのOverallが7959。Essentialsは8898、Productivityは7692、Digital Content Creationは9146、Gamingは17320。Gamingが特に高いが、その他も十分に高いスコアだ。8コア・16スレッドのCPUに、コンシューマー向けでは最上位のGPUを搭載しているのでゲームは当然、3Dレンダリングや映像編集といったさまざまな用途で快適なパフォーマンスが得られるはずだ。

PCMark 10の結果

 CPU性能を見るCINEBENCH R15では、CPUスコアが1814cb、CPU(Single Core)が177cb。マルチスレッド側のCPUスコアで1800ポイント台をたたき出すのはRyzen 7 2700Xでもしっかりと冷却できているためだろう。もちろん、よりコア数の多いハイエンドプラットフォームもあるわけだが、コストパフォーマンスではやはりRyzen 7 2700Xをきっちり冷却して使うのがベターではないだろうか。

CINEBENCH R15のスコア

 3Dグラフィックスのパフォーマンスを評価する3DMarkでは、FireStrikeが20915。2万ポイント台に乗るのがGeForce GTX 1080 Tiの証だ。FireStrikeの4K版であるUltraは6887。UltraのGT1でも37fps程度出ており、WQHDは当然、4Kゲーミングも十分に視野に入る。DirectX 12ではTimeSpyが9460、同Extremeが4326。4Kは多少厳しいがフルHDなら全く問題ない。

3DMarkの結果

 ゲームプレイ時の性能を評価するテストの1つ目はFINAL FANTASY XV WINDOWS EDITIONベンチマーク。フルHDでは高品質でも10209という「とても快適」評価で、これはおよそ最低フレームレートでも60fps超が出ている計算になる。

 4Kではまず軽量品質が7702の「快適」で、これは平均60fps前後といったところ。その上の標準品質は5383の「やや快適」、高品質は4619の「やや快適」だ。やや快適は最低フレームレートで30fpsを満たせているレベル。そのため、極端にカクカクするわけではなく、十分に楽しめる範囲にある。60fpsの4Kにこだわりたい方は軽量品質を、30fpsの4Kで画質にこだわりたい方は標準〜高品質の間でオプションを取捨選択していくのがよさそうだ。

 テスト2つ目のFar Cry Primalでは、フルHD最高画質時で平均90fps、4K最高画質時で平均54fpsだった。4K時でも平均54fps、最小49fpsなので十分楽しめる範囲だ。先のFFXVの結果に近いだろうか。4K時で多少映像の滑らかさが気になるとしても、2つ画質を下げた「高い」ならば平均62fpsまで向上した。

Far Cry PrimalのフルHD最高画質時(画面=左)と4K最高画質時(画面=右)

 テスト3つ目は処理がやや重いAssassin's Creed Origins。フルHD時で83fpsの「超高」評価で、4K最高画質は47fpsの「安定」評価だ。4K中画質まで落とせば61fpsの「超高」評価にアップした。Far Cry Primalのときよりも4K最高画質時のフレームレートが低くなるが、それでも30fpsは満たせるので楽しめる範囲だ。

Assassin's Creed OriginsのフルHD最高画質
Assassin's Creed Originsの4K最高画質
Assassin's Creed Originsの4K中画質

 このように、多くのゲームではフルHDで最高画質まで引き上げてプレイすることができ、4K解像度では処理が重いゲームタイトルで画質を選ぶことがあるものの、楽しめる範囲といえる。軽めのタイトルなら4Kの最高画質でも60fpsを満たせるはずだ。ゲーミングPCとして多くの人が満足できるスペックといえる。

静音性とパフォーマンスを高レベルで両立できるデュアル水冷

 デュアル水冷のメリットは、静音性と冷却性能の両立にある。本製品は動作時でもかなり静かで、普段使いであれば無音に近い。その上で、水冷システムによってかなりパフォーマンスを引き出せている。

 グラフィックスカード側は、案外空冷でも強化版オリジナルクーラーモデルならブーストの最大まで引き出せることが多いので、そこまでベンチマークテストのスコアにインパクトはなかったが、定格クロックのリファレンスデザインクーラーと比べれば上だ。リファレンスクーラーではGPUが許容する温度の上限に頻繁に達するため、そこでブーストが途切れるのに対して、本製品ならブーストが持続する。

 もっとも、本体に耳を近づければポンプ部の稼働音は聞こえるので、究極の静音性を求めるならば、同社の「Silent Master」の方がやや静かかもしれない。ただ、昨今のCPUやGPUでは冷却に応じたブーストがあるため、パフォーマンスを引き出しつつ静音性を実現するなら、G-Master Hydroがお勧めだ。

 もちろん、冷却と静音対策分の価格上昇はあるが、この付加価値が付いて組み立て済みで、すぐに快適なゲームプレイが可能ならば、十分に魅力的な選択肢といえる。今回はカスタムモデルを検証したが、冷却や静音性については過去に検証した標準構成もなかなか優れており、その上でGeForce GTX 1070 TiもフルHDでのプレイでは十分に高画質が狙える。

 G-Master Hydro X470Aの標準構成価格は24万5840円。今回紹介したカスタムモデルは31万2020円と30万円を超えるが、標準構成をベースにBTO時の参考にしてほしい(ともに税込み・送料込み)。

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提供:株式会社サイコム
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2018年6月6日

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