ここまで見てきたように、PDFは後から編集し、活用できるファイルフォーマットでもある。このため、ビジネス現場でよく見られる“文書の最終出力”という目的で使うために、PDFの仕様には高度なセキュリティ機能が盛り込まれている。ただし、それらのセキュリティ設定は、全てのPDF生成ツールで指定できるわけではない。実際、OfficeのPDFエクスポート機能にはセキュリティに関する設定項目が、Acrobatの様には細かく設定できない。
この点、Adobe Acrobat DCを使うと、PDFファイルにきめ細かなセキュリティを設定できる。一つは開くときのパスワードの設定。パスワードを設定することでファイルの内容が暗号化されるが、その際の暗号方式には256-bit AESが利用できる。これはWindows標準のZIPツールよりもずっと強力な暗号方式だ。
さらに印刷、編集、コピーにも制限をかけられる。印刷では、許可する・許可しないだけでなく低解像度のみ許可することもできる。送付先での利便性を損なうことなく、不正な複製利用を防止することに役立つだろう。また、編集権限ではページの抽出や挿入、回転、署名フィールドに署名など、目的に応じた権限のみを許可できる。コピーを禁止してもテキストリーダーによる読み上げは許可するといった細かい設定も可能だ。
Adobe Acrobat DCサブスクリプションには、100GBのオンラインストレージ「Adobe Document Cloud」が含まれている。これを用いてファイルの送信、共有が行えるだけでなく、署名やレビューといったワークフローまで実現できる。
例えば、グループウェアなどを導入してワークフローを実現していても、業務委託先や取引先など外部を含めた承認プロセスはメールなどに頼るケースが多いだろう。そこでAdobe Acrobat DCのAdobe Sign(電子サイン)を用いれば、文書の承認依頼を送ることができる。承認者はスマートフォンやタブレットからでも承認・レビューが可能になる。
急を要する承認作業を外出先でさっと済ますなど、まさに時間や場所に縛られない“働き方改革”に即したワークフローを実現できるわけだ。また、時間の短縮だけでなく、文書の郵送代や(課税文書であれば)印紙代などのコストを削減できるのも大きなメリットだろう。
ここまで見てきたように、PDFにはOffice製品の標準機能やサードパーティー製PDF生成ツールなど、追加費用なし、もしくは安価に作成できる環境が用意されている。しかし、Adobe Acrobatこそが国際標準規格であるPDFの仕様であり、Adobe Acrobat DCが純正品であることは先に触れた通りだ。
ビジネス文書を印刷してみたらオリジナルと違うものが出力されてしまった、あるいは、客先にメールを送ったら添付ファイルの中身が意図したものとは異なる見た目になっていた――そんな事態を避けたいのならば、やはり純正を使うのが安心だ。将来にわたって1つ上の信頼性・互換性を求めるユーザーは、Adobe Acrobat DCの導入を検討してみてはいかがだろうか。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2018年11月7日