HP、webOS端末事業の打ち切りを発表 PC部門のスピンオフも検討
iPadに対抗すべく発売したwebOS搭載タブレットの「TouchPad」の販売不振で、HPが昨年のPalm買収で獲得したこのモバイルOS搭載のハードウェア事業を打ち切ると発表した。
米Hewlett-Packard(HP)は8月18日(現地時間)、昨年の米Palm買収で獲得したwebOSを搭載したハードウェア事業を打ち切ると発表した。同モバイルOSを搭載するタブレット「TouchPad」やスマートフォンの売り上げが同社の経済目標に届かなかったという。webOSの今後については同ソフトウェアの価値を生かす選択肢を検討するとしている。
HPは同日行った第3四半期(5〜7月期)の決算発表で、webOS終了を含む再編計画を発表した。より利益率の高い、クラウドや企業向けソリューションに重点を移す。それに伴い、PCおよびwebOS端末を扱うPersonal Systems Group(PSG)のスピンオフを含む再編の可能性を検討しているという。
HPは2010年7月に、スマートフォン市場への参入を目指して米Palmを12億ドルで買収し、webOSを獲得した。2011年2月にはTouchPadとスマートフォン数機種を発表したが、同タブレットを発売したのは7月のことだった。HPは今月に入ってTouchPadを値下げしていたが、業績発表の前日には小売り大手の米BestBuyが同タブレットの大量の在庫を抱えているといった報道があった。
同社の第3四半期の決算は、売上高が前年同期比1%増の312億ドル、純利益は9%増の19億ドル(1株当たり1ドル10セント)と増収増益だった。PSG部門の売り上げは3%減の96億ドルだった。
同社はまた、企業向けインフラソフトメーカーの英Autonomyの買収で交渉中であることも発表した。
関連記事
- HPの決算は増収増益だが見通しは弱気 Autonomyの買収も発表
- <オルタナティブ・ブログ>HPのTouchPadがかなり売れていないらしい
- HP、webOSタブレット「TouchPad」を期間限定で100ドル値下げ
- HP、PalmのwebOS搭載タブレット「HP TouchPad」を7月に発売
- HP、2012年からすべてのPCにwebOSを搭載――Bloombergが報じる
- HP決算、企業向けが好調で増収増益だが慎重な今期予測
- HP、webOSベースのタブレット「TouchPad」と新スマートフォンを発表
- Palmの開発者支援幹部が辞任 コンサルとしてwebOSへの取り組みを継続
- HPのPalm買収はスマートフォン事業を立て直すチャンス
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.