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完成された1スピンドルビジネス機


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「ThinkPad Xシリーズ」は、操作性と携帯性を両立させた1スピンドル機として、すでに前モデルでも一定の評価を得ていた。新シリーズのX30系は、X20系列にユーザーからの要望を加え、より高い完成度を目指した製品だ。元々が高評価な製品だっただけにその作りは手慣れており、ビジネスツールとしては大きな不満がないと言っていいほどである。
質感の高いキーボード、高い剛性のボディ、フラットなデザインなど、常に携帯する製品としての資質は十分。PCカードに加えてコンパクトフラッシュType IIスロットが使える点、感度の良い無線LANアンテナ、デュアルバンド無線LANモデル(ThinkPad X31 JHJ)のラインナップ、USB 2.0対応などなど。SO-DIMMスロットを2つ装備し、初期インストール済みのメモリモジュールを含めてメモリをアップグレードできる点も、このクラスの製品としては珍しい特徴である。

本体左側面。IEEE1394(4ピン)、PCカードスロット、コンパクトフラッシュType IIスロット、オーディオ入・出力、USB 2.0が並ぶ(クリックすると拡大します)

本体背面には、パラレル、VGA、USB 2.0、Ethernet、モデムの各ポートが配置されている(クリックすると拡大します)
また、コンパクトながら、通常電圧版のPentium Mを搭載。それでいて冷却ファンは全く騒がしくなく、上手に熱を逃がしているのも好感が持てるポイントだ。熱管理がしっかりしているのは本機の特徴と言える。たとえば、バッテリパックがパームレスト下に配置され、HDDやCPU、グラフィックチップといった熱源と手のひらが離れているため、熱さを全く感じない(これはX20系から継承した特徴)。
重量物であるバッテリパックがパームレスト下に配置されているため、液晶パネルを開ける際にスッとスムースに開くのも気持ちがいい。X20系にあった側面USBポートの利用可能機器制限(筐体がUSB機器と当たってしまう)や、コンパクトフラッシュスロットのイジェクトのしにくさなども、X30系では解決されている。
ユーザーニーズに即した周辺機器構成

スペックには現れない、さまざまな部分でユーザーベネフィットとなるような工夫が施されている点も見逃せないポイントだ。
交換可能な光学ドライブスロット「ウルトラベイ2000」用デバイスをX31に追加できるドッキングステーション「ウルトラベースX3」は、キーボードやマウス、USB機器などを接続できるほか、LANポートのパススルーコネクタを備えているため、ポートリプリケータとしても使いやすい。
また、標準バッテリと同じバッテリパックを追加装着可能で、合計12セルの長時間駆動が行える。追加バッテリパックを利用するユーザーは、このバッテリスロットを充電器代わりとしても利用できるだろう(ただし評価時点のBIOSには、連続して2個のバッテリを充電してくれないというバグがあった。これは修正される予定とのこと)。
さらに、ウルトラベースX3の追加により、分厚くなってキーボードが操作しにくくなることを防ぐため、本体を斜めにする足が取り付けられている。これらはすべて、X20シリーズに寄せられたユーザーからの声を反映したものだ。
バッテリ性能も非常に優れており、きちんとした設定さえしておけば、あまり液晶パネルの明るさなどをケアしていなくても、なかなかバッテリが減らない。5時間前後は使えそうだが、全く省電力のこと考えなくても4時間以上は使える。
[本田雅一, ITmedia]
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