前のページ
|
1/3|
次のページ
やはりカール ツァイス、F717の弟分
ここ数年はデジタルマーケットの拡大と合わせて、オートコンパクト系のデジカメラインアップの拡充に主な力を入れてきたソニー。昨年秋のサイバーショット F717も、以前のモデルのマイナーチェンジといった位置づけだった。
だがここに来て、F717よりは下だが、テクニック上達志向のあるカメラファンへむけた多機能で高級コンパクトを登場させた。それが本機「サイバーショット V1」である。本格的な作品を撮りたい、撮影テクニックを上達させたい向きには非常に気になる、まったく新規の筐体を与えられたV1のファーストインプレッションをお伝えする。
クリックすると拡大します
サイバーショットV1の基本スペックは、1/1.8型で有効510万画素のCCD、光学4倍ズーム、原色フィルター、カール ツァイス“バリオゾナー”を搭載した多機能デジカメだ。ボディはアルミ合金となる。
ソニーの弁によると、このV1はF717よりは下位の位置づけになるそうで、価格帯は希望小売り価格10万円(税別)と、そこそこ手ごろな部類に入る。
ただし性能的には実はF717を凌駕する部分がある。F717に搭載されていた機能にさらに追加して、シーンセレクション6モード、より細かく絞れるスポットAF、動いているものを追いかけつつフォーカスを合わせ続けるコンティニュアスAF、アドバンストアクセサリーシュー搭載、コントラスト調整機能、などなどだ。
上面。高級サイバーショットの十八番とも言えるNIGHTFRAMINGやNIGHTSHOT切り換えスイッチが目につく(クリックすると拡大します)
また、シャッター優先、絞り優先、マニュアル撮影機能も充実している。ここに力が入っているからこその“作品作り”重視ユーザー向けなのだろう。
そのほかスペック的なことを概観しよう。標準撮影で約150枚、約75分稼働する。これは今どきの“スタミナ”としては、少々心もとない。半日撮影旅行などする場合は予備バッテリが必須だろう。起動時間は約3秒。シャッターラグは約0.4秒、そして、撮影間隔は約1.5秒。起動が今どきのフラッグシップクラスと比較すると遅いが、絵作りを考えながら撮る使い方がメインであれば、さほど気にすることはないと思う。
メモリースティックPRO及びUSB 2.0(Hi-Speed)に対応する。高級というコンセプトであるため、TIFFの非圧縮で撮影可能。A4写真プリントに威力を発揮するだろう。ムービー機能も充実しており、640×480ピクセル(連続約5分50秒)で撮ることが可能(160×112なら連続約91分30秒、別売りの128Mバイトメモリースティック使用時)。不要部分の切り取りやトリミングなどのムービー編集も可能となっている。
ホログラフィックAFの赤外線レーザーを、フロアマットに向けて照射してみた。ホログラフィックAFは、暗い場所でフォーカスを合わせるための補助光。光が被写体に届かなければ、フォーカスは合わない。W側で約0.4〜2.8m、T側で約0.4〜2.0mが有効範囲とのことだ
ボタン類の配置は良いが、グリップ感があまりない
さて次は、実際に手に持った感触をお伝えしよう。グリップは特徴的なデザインが施されてはいるが、実際成人男性が握ると、少々小さいのではないかと思われる。外形寸法は、約W99.5mm×D56.8mm×H65.2mm。重量は、インフォリチウムバッテリやメモリースティックなどを含めて約300g。もう少し大きくて重くても、文句は出にくいのではないか? とも思うのだが、いかがだろうか。横幅が大きいほうがグリップ感がより出るだろう。
[大出裕之, ITmedia]
前のページ | 1/3 | 次のページ
|