> ニュース		2003年11月27日　10:33 PM 更新

これからは「毎日がMacWorld」──開店間近のアップルストアをジョブズ氏が披露（2/3）

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　「また、AppleStoreでは、買う前に『試運転』ができるようにする。そのために、例えばすべてのマシンにOfficeをインストールし、使い勝手を試せるようにしておく」。

　「迅速な修理も行える。修理はインハウスで行われ、修理品がこのビルから出ることはない。最悪でも48時間で返せる体制を作る」。とは言うものの、あまりに旧型のマシンを持ってきた場合にはこの限りではないそうだ。逆にノートPCなどの場合には数時間で返せる場合もある。

　このあと、各フロアの説明があったのだけど、それは、あとに回して、Q＆Aセッション。

――なぜ、東京の中でも銀座を選んだのか。

　「“Windows（ユーザー）”をキャッチするには、人がたくさん歩いているところでないといけない。こちらから捕まえにはいけないから、たまたまそこを歩いている人（わざわざAppleStoreに来た人ではなく）が多いところでないとだめだ。そしてAppleというブランドを重視したとき、（青山でも六本木でもなく）『銀座』というのが最もインパクトがあった。」

　 ――日本のショップも米国と同じ戦略で売るのか、それとも日本独自のものがあるのか。

　実は、これ、わたしが聞いたのだ。「日本通の人に、カルチャーの違いについては、いろいろ聞いている」と答え始めたのだけど、途中で話がそれてしまい、明確な回答がない。重ねて問うたところ「イベントの数がニューヨークでは180だが、銀座はそれを上回る240だ。修理が48時間でできるというのは一番早い」というような、ちょっとぼやけた答えが返ってきた。

――Web上のAppleStoreと、リアルなショップとの違いは？

　「ここでは、『コンピュータを買う』というのとはまったく違う体験ができる。例えば、シアターではフリーのイベントが毎日開催されている」。

――アップルの日本でのシェアは、この店のオープンで変わるか。また、売り上げ予測は？

　「私は予測はしない。何が起きたかということは伝えるけど。大切なのは、人を大事に扱うということだ。何人に売るかではなく、その人の目を見て売ること。それができれば、数字はついてくるはずだ。銀座は、間違いなくニューヨークやロサンゼルス同様のハイグレードな店舗になるだろう」。

　発表会は以上で終わり。このあと、各フロアを見て回った。最初にも言ったように店舗は全部で5フロア。

1階：ハードウェア

　アップルの最新のマシンが展示されている。とにかくストアの顔だ。スタッフの方に伺ったのだけど、「（ソニープラザやヴィレッジバンガードのような）買い物に来たわけじゃないのに立ち寄ってしまうような店でありたい。それで見てもらって、もちろんここで買ってくれればそれにこしたことはないですけど、別の店で買われてもそれはそれでかまいません。」だそうだ。

　「立地条件から見て、ソフトクリームとか持って入ってくる客もあると思うのですが」って意地悪なことを聞いた。

　「そういうお客様はダメとか、そういうことはしません。私はディスニーランド好きなんですけど、あそこは本当は並んでいるときには飲食はいけないんです。でも、やっぱり飲みながらとか並びますよね。あるとき、私は、自分の飲み物を飲み尽くす前に順番が来ちゃって、どうしようってなったんですね。そのとき、キャリア（スタッフ）の人が、『お預かりします』って言ってくれて、しかも降りて返してもらうときにはそれが冷やされていたんです。柔軟なサービスっていうのはこういうものなんだと思いました」。

　現場のスタッフがこう言えるのはすごいと思う。いつまでも、そういう店であってほしい。将来、偉い人が方針を変えたりしにくくなるように、ここに初心はこんなだったと書いておく。やっぱり意地悪かも。

エレベータ

　AppleStoreのトレードマークはガラスの階段なのだけど、銀座店は5フロアもあるために、これがガラスのエレベーターに変えられた。このエレベーターがすごい。なんと、外にも中にも、操作ボタンがない（中に「開」ボタンだけはある）。

　エレベーターは一定時間各階停止で、ずーっと上ったり下がったりし続ける。2台あるエレベーターは常に「反対側」にいるようになっているから、団子になることはない。客が操作する要素を排除したからこそできるワザだ。アップルがエレベーターを作るとこうなりましたっていう見本だ。

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