> レビュー 2003年12月10日 06:52 PM 更新

きょうは登場したばかりのPT880のパフォーマンスに迫って見た(2/3)


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 メインストリーム向けの新型チップセットで、スペック的にはIntel 865PEに十分対抗できるとなれば、次に問題になるのは当然ながらパフォーマンスだ。ライバルにどの程度肉薄しているのか、ひょっとして抜き去ることができたのだろうか。

 ところで、今回のレビューから、ベンチマークの構成を少し変更している。総合的なパフォーマンスに加え、マザーボードのパフォーマンスに影響するセクションにも注目し、それぞれの部分の性能にも指標となるベンチマークを行ってみた。

 総合評価としては、SYSmark2002を継続して使用しているが、メモリパフォーマンスのベンチマークとして、「Sandra 2004」のベンチマークモジュールから、メモリバスの帯域幅を測定する「MemoryBandwidth」と、メモリのアクセス速度を測定する「Cache&Memory Benchmark」を行っている。Cache&Memory Benchmarkは、複数サイズのデータブロックを転送する時間を調べているが、小さなデータサイズではキャッシュのパフォーマンスを見ることになる。そのため、キャッシュの影響が少なくなる4MB以上のデータ転送速度を使うことにした。

 AGP周りのパフォーマンス比較には「3DMark2001 SecondEdition Build330」を利用する。テスト環境のビデオカードは、これまでも使用してきたMSI製のGeForce4 Ti4800SE 8Xで、ビデオドライバは少し古いがこれまでのデータとの比較の意味もあって、Detonator 41.09を適用している。

 また、サウスブリッジのパフォーマンスの一面を見るために、HDDのパフォーマンスをWinBench99 Ver2.0に収録されているDiskWinMarksで測定している。HDDにはパラレルATA接続のSeagate Barracuda 7200.7 8Mバイトキャッシュモデルの120Gバイトを使用する。

 最後に、現在のマザーボードではオンボード搭載されるのが当たり前となったLANコントローラのパフォーマンスも測定する。また、ギガビットLANを搭載したモデルの場合、コントローラによってかなり大きな差があるため、こちらも測定を行うことにした。

 LANの場合、LANコントローラの性能よりもその間のトラフィックや、通信相手のパフォーマンスが影響するため、テスト環境の構築はなかなか難しいものがある。ネットワーク経路のトラフィックや通信相手のパフォーマンスの影響も重大なのだが、あまりに高速な環境を用意することには無理があるため、筆者が普段利用しているIntel 845PE搭載のMSI 845PE MAX2 FISRにPentium 4/2.4B GHzを搭載したPCを利用している。

 ベンチマークは、HDDの速度の影響を受けないように、メモリ上で動作するベンチのNetPerf v2.1を使用した。接続は、プラネックス製のギガビット対応スイッチングハブFXG-05TXSを経由して行っている(現在、NetPerfの公式サイトがダウンしているため、理科学研究所のftpサイトftp://ftp.riken.go.jp/pub/net/netperf/binaries/2.1pl1/からwin32用のバイナリnetperf-2.1pl1.exeとnetserver-2.1pl1.exeをダウンロードすれば利用可能だ)。

 前置きが長くなってしまったが、ベンチ結果を見ていくことにしよう。

 まず、メモリの設定によるパフォーマンスの違いから確認していきたい。比較用に用意したIntel 865PE搭載のASUSTek P4P800では、メモリアクセラレーション機能を有効にすることで、3〜4%のパフォーマンスアップとなる。比較用データは、この機能をオンにしたものである。

 MSI PT880 Neoにも、いくつかのメモリ設定が用意されている。有名なのがM.A.T.機能だが、これを高速設定にしてしまうと、メモリレイテンシを比較用データとそろえることができない。そのため、メモリレイテンシはマニュアルで3-3-3-8に設定し、ほかの機能で高速化してみた。


SDRAM Bank Interleaveを変更した場合のMemoryBandWidth


SDRAM Bank Interleaveを変更した場合のCache&Memory Benchmark

 高速化に寄与したのは、SDRAM Bank Interleaveの設定で、Disable、2-WAY、4-WAYとパフォーマンスが向上している。さらに、BIOS設定のTop Performanceを有効にすることで、さらなるパフォーマンスアップが可能である。いろいろなベンチをこの最速設定で行ってみたが、動作不安定になることがまったくなかったため、この状態でIntel 865PEと比較することにした。


SYSmark2002


3DMark2001 SecondEdition Build330

[寺崎基生, ITmedia ]

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