ニュース
» 2015年05月22日 07時00分 UPDATE

スマートシティ:ドローンで測る建設現場、コマツのスマートコンストラクションが順調に実績拡大

コマツは「TECHNO-FRONTIER(テクノフロンティア)2015」内で開催されている「国際ドローン展」に出典。2015年2月から提供を開始した「スマートコンストラクション」を紹介した。

[三島一孝,スマートジャパン]

 コマツの「スマートコンストラクション」は、ICT(情報通信技術)を活用して建設現場の情報を連携し、安全で生産性の高い現場を実現するとともに、蓄積されたデータを新たなサービスに活用するというもの。2001年から展開する建設機械の情報確認システム「KOMTRAX」や、2013年から展開するICT建設機械などをベースとし、これらを結ぶことで建設作業を包括する新たなサービスモデルの確立を目指している(図1)。

photo 図1:コマツが展開するスマートコンストラクションのイメージ図(クリックで拡大)※出典:コマツ

クラウドプラットフォームで6つの情報を連携

 具体的には、同社が開発したクラウドプラットフォーム「KomConnect」に対し、以下の6つの情報を入力・連携させる。

  1. 高精度測量:無人ヘリ(ドローン)や3Dレーザースキャナー、建設機械の運転席に搭載されたステレオカメラなどを活用することで、短時間で現場の高精度な3次元データを生成
  2. 施工完成図面の3次元化:2次元の施工完成図面を3次元データに変換。3次元データの現況と施工完成形の差を視覚化
  3. 変動要因の調査・解析:工事を進める上で変動要因となり得る土質や地下の埋設物について調査・解析
  4. 施工計画の作成:施行条件を入力することで「施工計画シミュレーション機能」が条件ごとに異なる施工パターンを提案する。施工開始後はリアルタイムの施工状況が施工計画シミュレーションに自動的に反映
  5. 知能化された施工:3次元データをコムコネクトを通じてICT建機に送る。ICT建機は作業機を自動で制御するため、誰もが熟練作業者のような精度で作業を行える
  6. 完工後の施工データ活用:ICT建機で施工した情報はコムコネクトに蓄積。施工後の整備・修繕や自然災害などを受けた地域の復旧作業にも活用可能

 これらにより、建設業者は、建設現場における測量から完成までの作業工数などを大きく削減できる他、コスト削減なども実現可能だ。既に2015年2月からグループ会社のコマツレンタルを通して提供を開始しており、徐々に実績も拡大しているという。

導入実績は2014年度で400〜500現場

 今回の国際ドローン展では、このスマートコンストラクションの内、ドローンを使った高精度測量についての出展を中心に行った。コマツは使用するドローンとして米国スカイキャッチのものを使うとしている。ドローンからデジタルカメラでマーカーを設置した建設現場を撮影し、これをKomConnectで処理することで3次元データに仕上げる(図2)。

photo 図2:コマツがスマートコンストラクションで利用する米スカイキャッチのドローン(クリックで拡大)

 同社では、2014年度はICT建機なども含むスマートコンストラクション事業全体で「400〜500現場での利用実績がある」(同社 スマートコンストラクション推進本部 事業推進部 マーケティンググループ 奈良岡歩氏)としている。ドローンなどを活用するケースについては「まだその内の一部」(同)としているが、着実に利用は増えつつあるという。

 これらの利用者は「期待した精度が出ない」とした厳しい反応がある一方で、「実測した数値とほとんど変わらない」と高い評価を受けるケースもあったという。ただ、作業工数を大幅に低減できることについては「おおむね高評価を得ている」(同氏)としている。

 奈良岡氏は「人力で測量するのが難しいような大きな現場や、測量に危険が伴うような場所など、ドローンの活用で大幅に作業効率が上がるような場面も多い。徐々に活用は増えると考えている」と述べている。

テーマ別記事一覧

 スマートシティ 


Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.