BIMデータを数分でVRで使えるデータに変換、「Autodesk Live」BIM/CAD(1/2 ページ)

オートデスクは「Autodesk Revit」で作成したBIMデータを、VR機器やタブレット端末などで活用しやすいデータに変換できるクラウドサービス「Autodesk Live」を9月下旬から発売する。

» 2016年09月23日 06時00分 公開
[陰山遼将BUILT]

 オートデスクは2016年9月20日に会見を開き、同社のBIMソフト「Autodesk Revit」(以下、Revit)で作成したBIMデータを、VR(バーチャルリアリティ)機器やタブレット端末などで活用しやすい3Dデータに変換できるクラウドサービス「Autodesk Live」を発売すると発表した。Revitのアドインとして、同年9月下旬からオートデスクのオンラインストアで販売する。

 建設業界では設計した建物の外見や内装などを説明する際、3D CGなどを活用する事例が増えてきた。最近では完成前の建物の様子をより現実に近い感覚で体験できるとして、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)など、VR機器の活用にも注目が集まっている。

 施主やプロジェクトの関係者に対し、図面だけでは伝わりにくいディティールをより分かりやすく伝えられるなど、このように3Dデータを活用する利点は複数挙げられる。さらにVRであれば、見ただけでは分からない距離感などを擬似的に体験できるというメリットもある。

 一方、このように設計情報の3Dデータを活用する際に課題となるのが、作成にかかる手間だ。PC上で作成したBIMデータを、他の汎用PCやタブレット端末、あるいはVR機器などで閲覧できるようにする場合、不要な情報を削除して軽量化したり、出力先のデバイスに最適なかたちに編集したりなど、多くの手間がかかる。例えばオートデスクのソフトウェアを例にすると、Revitで作成したBIMデータを「3ds Max」や「Stingray」に取り込んで加工するという流れになる。こうした作業を設計者の既存のワークフローに組み込むことは難しく、必要な場合はデータの加工を外注し、完成までに数日の時間を要する場合が多い(図1)。

図1 これまでの設計業務に組み込むのは難しい 出典:オートデスク

 今回オートデスクが発表したAutodesk Liveは、クラウドを活用することでこうしたBIMデータの編集加工の手間を大幅に省くことができるのが大きな特徴だ。Revitで作成したBIMデータを、ワンクリックで使いやすいデータに変換できる。

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