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» 2017年01月19日 06時00分 UPDATE

省エネビル:大成建設が国内初の燃料電池の導入実証、地域のエネルギーを最適化 (1/2)

大成建設は横浜市戸塚区にある同社の技術センターに、固体酸化物形燃料電池(SOFC)を導入する。燃料電池が生み出す電力と熱をセンター内の複数の建物に供給する。同時に複数の建物のエネルギーを一括管理できる新しいEMSを開発・導入し、エリア内の電力需給の最適化を図る。この取り組みで得られたデータと知見を活用し、建物への大型燃料電池の導入拡大に生かす方針だ。

[陰山遼将,BUILT]

 大成建設は2017年1月17日、横浜市戸塚区にある同社の技術センターに、固体酸化物形燃料電池(SOFC)を導入すると発表した。SOFCから得られる電気と熱を、同センター内に構築したスマートコミュニティのエネルギーとして活用していく狙いだ。さらに2017年度中に複数建物のエネルギーを統合管理する「エリア・エネルギー・マネジメント・システム」(AEMS)も導入し、敷地内全体でエネルギー使用量の最適化を図る。

 導入するSOFCは、三菱日立パワーシステムズが開発を進めているもので、出力は250kW(キロワット)。同社がNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)に採択されている「固体酸化物形燃料電池等実用化推進技術開発事業」の一環として、実証的に設置する。

 SOFCは「リン酸形(PAFC)」や家庭用エネファームなどに使われてる「固体高分子形(PEFC)」などの他の燃料電池と比較して発電効率が高い特徴がある。三菱日立パワーシステムズのSOFCはセラミックス製の燃料電池で、さらに高温高圧で作動する「加圧型複合発電システム」という独自のシステムを組み合わせている点に特徴がある。

SOFCを利用した「加圧型複合発電システム」の外観 出典:三菱日立パワーシステムズ
システムのイメージ 出典:NEDO

 加圧型複合発電システムは、まず都市ガスを改質して水素を作り、燃料電池で発電。そして燃料電池では使い切れない都市ガスを燃焼させて、ガスタービンでも発電が行えるシステムとなっている。さらにガスタービンで高圧になった空気は燃料電池に供給して発電効率を高める。

 これにより燃料電池とガスタービンの組み合わせによる発電効率は55%と高効率になっているのが特徴だ。加えて発電に伴う排熱もエネルギーとして供給できるコージェネレーション(熱電併給)システムとなっている。今回は、この電力と熱を技術センター内に供給していく。

 なお、三菱日立パワーシステムズは今回の大成建設の他、開発パートナーであるトヨタ自動車と日本特殊陶業の工場などにもこのSOFCを実証導入するなど、2017年度中の実用化を目標に開発を進めている。

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