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» 2017年03月30日 13時00分 UPDATE

省エネビル:屋根と学生を支える樹状柱、ユニークな木造建築が埼玉県に (1/2)

埼玉県深谷市普済寺にある埼玉工業大学。学園創立110周年の記念事業の一貫として、2016年夏に敷地内に「ものづくり研究センター」が完成した。壁面を総ガラス張にし、木材をふんだんに活用した開放的な空間を目指した他、設備面では自然エネルギーを最大限活用する省エネ型の施設となっているのが特徴だ。設計を担当した平田松田設計に、コンセプトや設計プロセスについて聞いた。

[陰山遼将,BUILT]

 埼玉県深谷市普済寺にある埼玉工業大学。学園創立110周年の記念事業の一貫として、2016年夏に敷地内に「ものづくり研究センター」が完成した。研究や工作に利用できる部屋や、学習スペースを設けており、学生が集い学ぶことを目的とした木造平屋建ての施設だ。木材をふんだんに活用しながら、壁面を総ガラス張りにして開放的な空間を目指した他、設備面では「光・風・土」の3つの自然エネルギーを活用する省エネ型の施設となっているのが特徴だ。

「ものづくり研究センター」の外観(クリックで拡大) 写真提供:日暮雄一

 施設の概要は以下の通り。木造・地上1階建てで、建築面積は1026.36m2(平方メートル)、延床面積981.44m2。2016年7月に竣工した。設計監理は松田平田設計、施工は主に竹並建設が担当している。

大屋根を支える4本の樹状柱

 施設内部でまず目を引くのが、高さ6mを超える天井屋根を支える4本の樹状柱だ。一般的なベイマツの集成材を利用しており、東京大学大学院 木質材科学研究室教授の稲山正弘氏が構造を監修している。ほぞを切って嵌合(かんごう)させることで、接合金物を用いない接合としてあり、「木が大屋根を支えていて、生徒たちが集まってくるようなイメージを意識した」(松田平田設計)という。

樹状柱が屋根を支えている
合計4本の樹状柱が屋根を支える(クリックで拡大)

 木材加工を担当したオノツカと協力し、プレカットCADの1つである「hsbCAD」で作成した樹状柱や仕口部などの3Dモデルを、Google「Sketh Up」を活用して実際の現場で施工業者と3Dモデルを利用して打ち合わせをしながら収まりを把握していった。また、屋根部分は樹状柱の支点を用い、梁を6m以内で割り付け、部材・金具は一般的な住宅用の集成材を活用してコスト削減を図っている。

 照明の設置に関しては遠藤照明と協力し、3Dの照度シミュレーションを活用して位置決めを行った。複雑な形状をとる樹状柱に対し、最適な高さ・位置に照明を設置するためだ。利用したソフトウェアは「DIALux」で、照明の首振りの角度といった細部までを、照度シミュレーションをもとに算出したという。また、照明の配線は樹状柱の内部に埋め込むようにしており、外部からは配線が見えないようになっている。

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