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» 2018年04月18日 06時00分 公開

作業時間を劇的に改善、高性能カメラとAIでひび割れ点検 (1/2)

大林組は、富士フイルムが開発したインフラ点検の画像解析サービス「ひびみっけ」と、高性能カメラを組み合わせ、目視点検に比べて作業時間を大幅に短縮するコンクリート表面のひび割れ自動検出手法を確立した。

[石原忍,BUILT]

 大林組は2018年4月5日、富士フイルムが開発したAI(人工知能)による画像解析技術「社会インフラ画像診断サービス」を利用し、高性能カメラで土木構造物を撮影した画像から、コンクリート表面のひび割れ幅と長さを自動検出する手法を確立したと発表した。

AIの画像解析と高性能カメラで、ひび割れ自動検出

 大林組が確立した新たなひび割れ検出手法は、富士フイルムの提供する社会インフラ画像診断サービス「ひびみっけ」と、特殊な高性能カメラを組み合わせ、コンクリート表面のひび割れの幅と長さをこれまでよりも高精度に、短時間で自動検出する手法。

 これまでも自動検出の技術自体はあったが、目視による点検と比較して、検出率とひび割れ幅の計測精度が低いのが難点だった。また、自動検出するには対象物に接近して画像を撮る必要があるため、大規模な土木構造物になるほど撮影枚数が多くなり、高所では高所作業車やドローン使わなければならないなど、作業時間とコストも足かせとなっていた。

 大林組の開発した手法は、従来の技術よりも、遠距離からの自動検出することを可能とし、作業時間とコストも大幅に削減した。富士フイルムとの共同実証では、従来は難しいとされていた暗い場所でもひび割れを検出し、さらにこれまで実績のなかった曲面にもその有効性を確認するなど、適用範囲を拡大させることに成功した。

左が目視結果(ひび割れ箇所:白線)、右が自動検出結果(ひび割れ部分:赤線、最大ひび割れ幅:緑色) 出典:大林組

 富士フイルムの社会インフラ画像診断サービス「ひびみっけ」は、医療分野で毛細血管の検出を目的とした技術をベースに新規開発した画像解析手法。大林組が使用する高性能カメラは、通常のカメラと比較して撮像素子サイズが大きく、色の階調も多く、ひび割れ検出でAIによる画像解析技術と相性が良いとされる。

 土木構造物の試験適用では、実際にひび割れ幅0.05mm以上のひび割れを100%検出し、近接目視によるひび割れ幅計測結果との適合率が90%以上だった。専門技術者の計測技量に頼らず、一定の精度での点検が可能となり、経年比較によるひび割れの進展状況も正確に判断できるという。

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