電力を自給自足できる駅が完成、大規模な蓄電池システムを導入:蓄電・発電機器
JR東日本が電力を自給自足できる駅「エコステ」のモデルとして6月に改修した東北本線・平泉駅に、容量240kWhの大規模な蓄電池システムが導入された。すでに設置済みの太陽光発電システムと組み合わせることで、日中の電力を夜間に利用できる仕組みが整った。
平泉駅では隣接するJR東日本の社有地に約500平方メートル分の太陽光パネル(三菱電機製)を6月に設置しており、日中に最大78kWの電力を供給できる体制ができていた(図1)。
太陽光発電で余った電力を蓄電することによって、夜間の電力も自給自足できるようになる。このほど蓄電容量が電気自動車10台分に相当する大規模な蓄電池システム(GSユアサ製)を導入して、昼夜にわたる電力の供給体制を構築した。
岩手県にある平泉駅は年間に約170日の晴天が想定されていて、晴天の日には太陽光発電システムと蓄電池システムによって電力を自給自足できるようになる。晴天でなくても蓄電池システムに残っている電力を部分的に活用することができる。駅全体で年間に使用する電力量の約8割を太陽光発電でカバーできる見込みだ。
導入した蓄電池システムは合計114台のリチウムイオン電池モジュールで構成されている(図2)。全体の蓄電容量は240kWhもあり、一般家庭が使用する電力の約20日分に相当する。日産自動車の電気自動車「リーフ」に搭載されているリチウムイオン蓄電池の蓄電容量は24kWhで、その10台分の電力を蓄えることができる。
JR東日本は電力を自給自足できる駅「エコステ」を各地に展開する計画で、すでに第1弾として東京の四ツ谷駅に太陽光発電やLED照明を導入している。平泉駅はエコステの第2弾として、蓄電池システムを加えた自給自足率の高い駅のモデルケースになる。
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