エアコンの制御がスマホで可能に、外出先から電源をオフ:省エネ機器
スマートフォンと家電製品の連携機能が進化する。富士通が本日10月26日から提供を始めるスマートフォン用のアプリケーション「My Cloudリモコン」を使うと、外出先からエアコンを制御できるようになり、電源を落とすこともできる。将来は電気自動車との連携も技術的には可能だ。
「My Cloudリモコン」には2つの注目すべき機能がある。1つは通常の家電製品のリモコンと同じように、スマートフォン(スマホ)の画面に表示したリモコンからエアコンを制御できて、外出先から電源をオフに設定することもできる。もう1つの機能は、外出時には使わないはずの家電が動いている場合に、家庭から一定の距離を離れた時点で、メールで知らせてくれる。
この2つの機能によって、エアコンを消し忘れて外出した場合には、メールで通知を受け取って、スマホから電源をオフにすることができるわけだ(図1)。近い将来にはエアコンをはじめとする家電製品だけではなくて、電気自動車や太陽光発電システムなどとも同じような連携が可能になる。
富士通はMy Cloudリモコンの機能を実現するにあたって、今後の家電製品で標準通信プロトコルになる「ECHONET Lite」をいち早く採用した。実際にはパソコンの「FMV」が中継する形で、ECHONET Liteを使って家電製品を制御する仕組みになっている。パソコンからはエアコンの電源オンや温度設定も可能だ。パソコンにECHONET Liteを搭載したのは富士通が初めてである。
ECHONET Liteは家庭で使う電気製品の電力使用量のデータを収集できるほか、電源のオン/オフ制御なども通信ネットワークを介して実行できる。現在のところECHONET Liteに対応した機器は限られているが、今後は各メーカーの主要な家電製品に搭載されていく見込みだ。
さらには次世代の電力メーターとして政府が2018年度をめどに企業や家庭に普及させる計画の「スマートメーター」でも、家電製品との連携のためにECHONET Liteを実装することが決まっている(図2)。富士通は他社に先駆けてECHONET LiteをパソコンのFMVに搭載することで、スマホからエアコンを遠隔操作できる機能を実現した。
現時点でECHONET Liteに対応しているエアコンを発売しているのはダイキン工業と富士通ゼネラルの2社だけで、My Cloudリモコンから操作できるエアコンは当面2社の特定機種に限られる。富士通は各メーカーから対応製品が発売され次第、対応機種の情報をウェブサイトに掲載することにしている。
My Cloudリモコンは当初はAndroid版だけだが、iOS版も時期は未定ながら提供する予定がある。
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