電力需要のピーク過ぎる、今冬は全国各地で軒並み低下:エネルギー管理
3月に入って電力の需要が減り、まもなく北海道の節電期間も終了する。この冬は九州や関西で予備率が3%に近づくことが予想されて、電力不足の心配もあったが、無事に済みそうだ。12月の九州と北陸を除くと最大需要は政府の予測を下回り、節電効果が十分に表れている。
今冬で電力の需給状況が最も厳しかったのは12月10日と11日の九州で、両日ともに需給率が96%まで上昇した。これを除けば北海道を含めて全国各地の需要は低めに推移し、電力不足を心配するような状況になることはなかった。
12月〜2月の各月で需要の最大値を見ると、12月は各地ともに当初の予測に近い水準だったものの、1月と2月は予測を大きく下回った地域が多い(図1)。特に東日本は厳しい寒さが続いたにもかかわらずだ。
心配された北海道は最大需要が予測値を超える日はなく、2月は予測から5%も低かった。同様に需給状況が厳しくなる可能性のあった関西と九州でも、1月と2月の最大需要は12月とほとんど変わらず低めに抑えられた。
今冬の結果で明らかになったことは、1月と2月の需要は12月からさほど増えないという点だ。電力会社の報告をもとに政府が10月末の時点でまとめた予測では、北海道と四国を除く7つの地域で1月と2月の最大需要が12月よりも増加する形になっていた。
特に増加率を大きく見込んでいたのは九州で、需要の最大値が12月から1月にかけて10%以上も高いレベルになることを予想していた。実際には2%程度の増加で済み、過剰な需要予測だった可能性が大きい。
政府と電力会社には、2012年の実績をもとに、2013年の夏と冬の予測を現実的なレベルで立てることを願いたい。企業と家庭の節電対策は着実に広がっている。安心は禁物だが、過剰な心配も不要である。
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