補助金の対象で最大の蓄電池、容量58.8kWhで電力のピークシフトに:蓄電・発電機器
最新のスマートホームには蓄電池が標準で装備されるようになってきたが、電力のピークシフトに使える点ではオフィスや店舗、工場や学校・病院でも有効だ。これまで国の補助金の対象になる製品は最大で14.4kWhの容量にとどまっていたが、その4倍の58.8kWhの製品が新たに加わった。
エリーパワーが2012年12月に発売した産業用の蓄電池「Power Storager 10」が新たに国の補助金の対象に認定された。出力が10kWと大きく、オフィスや工場など電力使用量の多い施設で使うのに適している。容量は14.7kWh〜58.8kWhまで4種類の製品がある(図1)。
定置用のリチウムイオン蓄電池に対する国の補助金は2012年4月に始まったが、これまでに認定された36製品のうち最大の容量は京セラとニチコンの14.4kWhだった。3月19日に補助金の対象に加わったエリーパワーの製品は容量で1〜4倍、出力も3倍以上になる。 電気自動車に搭載されている蓄電池と比較しても、国産車で最大の日産リーフが24kWhで、その2倍以上の容量がある。
蓄電池を使うメリットは主に2つある。1つは電力の使用量が多い夏の昼間などに「ピークシフト」を実施することができる。夜間の電力を蓄電池に充電して昼間に使うことで、昼間のピーク電力を夜間にシフトして平準化することが可能だ。時間帯別の料金プランを選択すれば電気料金の削減にもつながる。
もう1つのメリットは停電時のバックアップに使える。停電時には蓄電池に貯まっている電力を利用できるほかに、太陽光発電システムからの電力を蓄電池に充電しながら供給量を維持することもできる(図2)。企業にとって重要なBCP(事業継続計画)の観点で有効な手段になる。
国からの補助金は工事費の一部を含めて3分の1までが支給される。申請期限は2014年3月31日だが、総額210億円の予算に達した時点で終了することになっている。
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