停電でも基地局は動く、ドコモが太陽光発電と蓄電池をセットで導入開始:自然エネルギー
NTTドコモは災害に強い「グリーン基地局」を4月から展開していく。太陽光発電システムと蓄電池システムを組み合わせて、停電時でも携帯電話の基地局に十分な電力を供給できるようにする。9月までに10か所に導入して、遠隔操作による電力のピークシフトも実施する予定だ。
NTTドコモは東日本大震災の教訓をもとに、災害時に停電になっても自立的に運転を続けられる「グリーン基地局」を開発して検証を進めてきた。4月から東京・神奈川・山梨にある3か所の基地局に発電・蓄電設備を導入して実証実験を開始する(図1)。さらに9月までに関東甲信越地域で合計10か所に拡大する計画だ。
グリーン基地局は3つの設備で構成する。全体の電力を制御する「グリーン電力コントローラ」を中心に、日中の電力を供給する太陽光発電システム、夜間の電力を充電・放電できる蓄電池システムがある(図2)。
太陽光発電システムは1枚あたり233Wのパネルを18枚設置して、最大4.2kWの発電を可能にする。基地局の最大電力は2kWで、晴天時の日中は太陽光発電システムからの電力だけで稼働できる。余った電力は蓄電池に充電して夜間に利用する。停電になっても蓄電池の電力だけで14時間〜16時間程度は基地局を稼働させることが可能になる。
グリーン電力コントローラを通じて遠隔操作すれば、夜間に電力会社の安い電力を蓄電池に充電して、翌日の日中に放電して基地局の設備に供給することもできる。昼間の電力需要のピークを夜間にシフトすることで電気料金を削減できるメリットがある。
さらにドコモはグリーン基地局の装備を充実させるために、燃料電池や風力発電を導入する準備も進めている(図3)。燃料電池は長時間の電力供給を可能にする一方、風力発電は夜間や雨天でも風速が一定以上あれば電力を作ることができる。
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