国内最大のメガソーラーが大分に完成、日産の土地で26MW:自然エネルギー
大分は再生可能エネルギーへの依存度が最も高い県だ。これまでは地熱の比率が高かったものの、大分市を中心としたメガソーラー計画が次々と実現してきた。
大分県は再生可能エネルギー日本一をうたう。再生可能エネルギーの自給率は23.29%(2011年3月)と都道府県の中で最も高く、供給量も全国1位だからだ。再生可能エネルギーの種類別では地熱発電と地熱利用が7割を占める。大分臨海工業地帯を中心としたメガソーラーの計画も充実している(図1)。
図1に示したメガソーラーの1つが完成した。日揮が事業主体となったメガソーラー「NISSAN Green Energy Farm in Oita(日産グリーン・エナジー・ファーム・イン大分)」である。2013年5月時点で26.5MWという出力は国内最大だという。総事業費は着工時点で約80億円を予定していた。
2012年9月に本工事に着工、2013年4月30日に完成。5月1日から九州電力への売電を開始したもの。今後20年間運営する。大分臨海工業地帯6号地内の35万m2(約820m×約420m)の土地は、日産自動車から貸与を受けた*1)。太陽電池モジュールを11万4000枚使用し、シャープとソーラーフロンティアから供給を受けた。
*1) 同社は大分臨海工業地帯内の土地を入手していたが、工場などには利用していなかった。なお、同社は企業活動におけるカーボンフットプリントの最小化を目指しており、工場などで各種の再生可能エネルギーを導入している。例えばメキシコのアグアスカリエンテス工場では他社供給のグリーン電力を導入し、工場内で消費する電力の45%を風力で、5%をバイオガスから得ている。
日揮プラントソリューションと四電エンジニアリングによるコンソーシアムが施工を担当した。運営事業者は日揮みらいソーラー。
なお、今回のメガソーラーは日揮が国内で初めて完成させた太陽光発電事業である。同社はスペインのコルドバで太陽熱発電所(出力100MW)を完成させており、今回は2件目の事例に当たる*2)。
*2) 日揮は今後の太陽光発電関連の事業として、千葉県富津市のメガソーラー「富津ソーラー」(出力27MW)の建設工事に取り組む。ミツウロコグリーンエネルギーとリサイクルワンが出資するメガソーラーである。
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