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石炭からLNGへ、北陸電力が発電所を置き換え:電力供給サービス
高効率な液化天然ガス(LNG)を利用する動きが高まってきた。北陸電力は既存の石炭火力を廃止し、LNG火力を導入する。石油火力を改造してLNGを利用できるようにする。
北陸電力は、富山県射水市にある石炭火力発電所を液化天然ガス(LNG)利用の火力発電所に置き換えて、出力を高める。2013年5月に出力規模などについて発表した。発電所の効率も高まり、より少ない燃料から多くの電力が得られるようになるという。
置き換えるのは富山新港火力発電所の「石炭1号機(出力25万kW)」*1)。これを出力が1.7倍高い「LNG1号機」(出力42万4700kW)に置き換える(図1)。今後の予定は以下の通り。2014年度に環境影響手続きを完了し、2015年度に着工。2018年度に運転を開始する。石炭1号機は2017年度に廃止する。
*2) 石炭1号機の置き換えと合わせて、2号機(石油火力、50万kW)をLNG対応とするため、燃焼装置を改造する予定だ。
コンバインドサイクルを採り入れた。コンバインドサイクルでは、ガスタービンで発電すると同時にガスタービンの排気を利用して熱回収ボイラーで蒸気を作り出す(図2)。この蒸気でさらに発電する。2段階で発電できるため、熱効率は約59%と高い(発電端熱効率、低位発熱量基準)
合わせて、LNG燃料を受け入れる設備も作る。プレストレストコンクリートで製造した容量18万kLのタンクを置き、15万m3級の輸送船が着岸できるバースを建造する。発電所や周辺設備の建設費用は約1100億円。
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