10億円のメガソーラーをリースで建設、創業121年の繊維メーカーが工場の遊休地に:自然エネルギー
繊維メーカーのシキボウが遊休地を活用して太陽光発電事業に乗り出す。主力の富山工場の中で利用していない4万6000平方メートルの敷地に、2.4MW(メガワット)の発電設備を建設する。2014年1月から売電を開始する予定で、約10億円の初期投資はリースを活用する。
1892年(明治25年)に大阪市で創業した繊維メーカーのシキボウが、会社の定款を変更して太陽光発電事業を開始する。シキボウは全国5か所に工場を所有しているが、そのうち紡績の主力工場である富山工場(図1)にメガソーラーを建設する計画だ。
富山工場内の遊休地のうち約4万6000平方メートルを利用して、発電規模が2.4MW(メガワット)の太陽光発電設備を導入する。年間の発電量は230万kWhを見込んでいる。
固定価格買取制度で2012年度の買取価格(1kWhあたり40円)を適用できれば、年間の収入は9200万円になる。2015年1月から売電を開始する予定だ。
初期投資の約10億円はリースを活用する。資源エネルギー庁が買取制度の認定設備を対象に調べたメガソーラーの導入コストは1kWあたり平均28万円で、2.4MWだと6億7000万円になる。シキボウの初期投資額は約1.5倍だが、リースの中には買取期間の20年間に必要な運転維持費(資源エネルギー庁の想定では1kWあたり年間1万円)も含んでいるとみられる。
シキボウは2012〜2014年度の中期経営計画の中で、自社で保有する遊休地の早期活用を喫緊の課題に挙げて対策を検討してきた。太陽光発電事業を有効な施策と判断して、富山工場で実施することを決定した。他の工場を含めて残る遊休地にも展開する可能性が大きい。
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