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土の採取跡地はメガソーラーに、富山市でカドミウム汚染農地の復元後:自然エネルギー
富山県の神通川流域は日本初の公害病になった「イタイイタイ病」が発生した地域である。原因になったカドミウムに汚染された農地を復元するために、1979年から33年間かけて土壌の入れ替えを実施した。搬入する大量の土を採取した跡地にメガソーラーを建設する。
富山市の中心部から南へ20キロメートルほどの場所に、メガソーラーの建設予定地がある。八尾地域と呼ばれる山間部で、近くを神通川が流れている(図1)。この一帯は1910年代から「イタイイタイ病」に悩まされた地域である。隣接する岐阜県の鉱山から排出したカドミウムが原因だった。
カドミウムに汚染されてしまった農地の復元工事が始まったのは1979年で、ようやく33年後の2012年に763万平方メートルに及ぶ土地の復元工事が完了した。汚染されていない場所から土を採取して搬入する必要があり、県内の各所が採取地になった。そのうちの1つが八尾地域にある市有地で、富山市は新たにメガソーラーの用地として事業者に貸し付けることにした(図2)。
林に囲まれた採取跡地の中で太陽光パネルの設置が可能な面積は2万8000平方メートルある(図3)。富山市は1平方メートルあたり年額25円で貸し付けることを条件に公募した結果、地元で建設業を営む新日本コンサルタントを事業者に選定した。メガソーラーの発電規模は1.3MW(メガワット)で、11月に運転を開始する予定だ。
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