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超大型の洋上風力発電設備の建設が近づく、浮体構造が11月10日に福島へ:自然エネルギー
福島県の沖合で実証中の浮体式による洋上風力発電が次のステップに向かう。現在稼働している2MW(メガワット)の発電設備を上回る7MWの超大型機の建設が目前に迫ってきた。発電設備を係留するアンカーの設置が完了して、11月には風車を設置する浮体が福島県に到着する予定だ。
福島沖の洋上風力発電プロジェクトは2期に分けて実施する計画で、第2期で建設する超大型発電設備の準備が着々と進んでいる(図1)。発電設備を係留するためのアンカーチェーンと海底送電ケーブルの敷設作業が8月末に完了した。残る作業は風車を搭載した発電設備の建設である。
超大型の風力発電設備は世界でも最大級の7MW(メガワット)の発電能力があって、2種類の浮体構造の上に設置する予定になっている。そのうちの1種類は「V字型セミサブ」と呼ぶ構造で、2本の柱でV字型の浮体を造り、中心部分に風車を建てる方式をとる(図2)。
このV字型の浮体構造は三菱重工業が長崎県の造船所で6月に完成させた。10月30日に合計7隻の船団で長崎港を出港する予定で、太平洋上を福島県の小名浜港まで輸送する(図3)。小名浜港には11月10日に到着して、12月上旬から港内で風車の搭載作業に入る計画だ。
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