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猛暑にならなかった8月の販売電力量、前年比で4.8%も減る:電力供給サービス
電力会社10社が2014年8月に販売した電力量は前年同月比で4.8%の大幅な減少を記録した。全国的に天候が不安定で冷房需要が伸びなかった。特に家庭向けの電灯が6.5%減と大きく落ち込んだ。企業向けは業務用が5.6%減、産業用は2.3%減で、特に自動車や電機メーカーの需要が減少した。
電気事業連合会が速報で発表した2014年8月の販売電力量は10社の合計で748億kWhだった(図1)。7月からは10%伸びたものの、前年8月と比べると4.8%も減少した。2013年4月に6.0%減を記録して以来、1年4カ月ぶりの大幅な落ち込みである。全国各地で気温が低めに推移したことが主な要因だが、企業と家庭の節電対策が着実に進展している効果も大きい。
用途別に見ると需要全体の3分の1を占める家庭向けの「電灯」が6.5%の減少で 5月から4カ月連続で前年を下回った。企業向けはオフィスなどで利用する「業務用」が5.6%減になり、5カ月連続の前年割れである。工場を中心とする「産業用その他」も2.3%減って、前年を下回る状況が6月から続いている。
産業用のうち大口需要家に販売した電力量は前年同月比で2.1%減少した。特に電力需要が大きい自動車メーカーと電機メーカーを含む「機械」の販売電力量が2.7%も減ったことが響いている(図2)。一方で「鉄鋼」と「非鉄金属」の2業種だけは前年実績を上回った。
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