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節電のほかに医療にも生かす、110種類のセンサーで居住者の異常を検出:スマートハウス
スマートハウスに埋め込んだ110種類のセンサーのデータを分析すると、居住者の運動機能の異常を発見できる。富士通研究所がアイルランドで実施中の自立生活支援プロジェクトの成果を公表した。電力センサーや居住者の体に着けたセンサーのデータを分析して行動パターンを可視化する。
富士通研究所は2013年7月からアイルランドの研究機関と共同で「KIDUKUプロジェクト」に取り組んでいる。アイルランド国内に建設したスマートハウスに110種類のセンサーを埋め込み、居住者の体に着けたセンサーからのデータと合わせて分析することで、日常生活の行動パターンを抽出する(図1)。それをもとに運動機能の異常を検出して、高齢者などの自立生活を支援することが目的だ。
スマートハウスに埋め込んだセンサーは電力や温度・照度などの居住環境を測定するものに加えて、ドアやベッドの動きを感知するセンサーがある(図2)。居住者の体には加速度センサーを着けて、歩幅や体のふらつきを測定できるようにした。さらに呼吸や脈拍などを測定するバイタル(生体情報)センサーのデータも利用する。
各種のデータから居住者の行動パターンを分析して、歩き方の特徴を50種類以上も抽出することが可能になった。そのパターンを継続的に比較すると、運動機能の異常を発見しやすくなる(図3)。例えばベッドから起きた後の歩行状態から、関節のこわばりや起床後の血圧異常の可能性が疑われる。これまで医療従事者が気づかなかった運動機能の異常を早期に発見して治療に生かすことができる。
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