風力で10億人の「いいね」を支えるデータセンター、米国テキサス州に建設:自然エネルギー
米国フェイスブック(Facebook)は、米国テキサス州に同社5つ目のデータセンターを建設する。同データセンターは使用電力の100%を風力発電で賄うという。
フェイスブックが新たなデータセンターを建設するのは、米国テキサス州のフォートワース(Fort Worth)になる。同社が今までに建設し活用してきた4つのデーターセンターに追加して、10億人以上が利用するSNS(ソーシャルネットワークサービス)基盤として活用する(図1)。
フェイスブックでは、2014年に稼働したアイオワ州の「Altoona Data Center」で初めて、地域内の風力発電所からデータセンターで使用する電力の全てを調達し、再生可能エネルギーを100%利用したデータセンターを建設している(関連記事)。
今回新たに建設するフォートワースのデータセンターも、Citigroup Energy、Alterra Power、Starwood Energy Groupなどが運営する200MW(メガワット)の風力発電所から電力を調達する計画だ。同風力発電から供給を受ける電力網は2016年に稼働を開始するという。
フェイスブックのデータセンターでは、外気を100%活用した冷却システムが共通の仕様になっていて、新データセンターにも導入する予定だという。さらに、サーバやディスク装置などは世界各国のエンジニアで構成するOpen Compute Projectの仕様に準拠した製品を採用している。このプロジェクトはもともとフェイスブックが提唱したものだが、データセンターで使用する各種の機器や管理システムの設計情報をウェブサイト上で共有して効率化を支援するという。
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