フェイスブックが新データセンター建設、風力発電が広がる米国アイオワ州に:スマートファクトリ
海外のITサービス会社が再生可能エネルギーの導入を急いでいる。フェイスブックは4番目のデータセンターを米国アイオワ州に建設して、2014年内にサービスを開始する。外気を活用した冷却システムを導入するほか、風力発電の規模が全米3位のアイオワ州で電力の調達を増やす。
全世界で10億人以上がサービスを利用するフェイスブックではデータセンターの増強が急務になっている。新たに4番目のデータセンターを米国アイオワ州に建設することを決めた(図1)。今夏から工事を開始して、2014年内に稼働する予定だ。
フェイスブックはデータセンターやオフィスをはじめ全社の施設で再生可能エネルギーの導入比率を増やす目標を掲げていて、新センターの建設地にアイオワ州を選んだ。アイオワ州は風力発電の規模が全米でテキサス州とカリフォルニア州に次いで3番目に大きいことで知られる。州内の風力発電設備を合計すると5000MW(メガワット)を超え、日本全体で稼働する風力発電設備の約2倍の規模がある。
このところ欧米の先進国では企業の環境対策として再生可能エネルギーの利用拡大が強く求められようになってきた。企業のブランド・イメージにも影響するため、特に数多くのユーザーを抱えるITサービス会社が積極的に拡大プロジェクトを進めている。すでにアップルは自社で利用するエネルギーの75%以上を再生可能エネルギーに切り替えた。
アップルと比べてフェイスブックは出遅れていて、2011年の時点で再生可能エネルギーの利用率は23%にとどまっている(図2)。今後さらにサービスの利用者が全世界で増えて、データセンターとオフィスの増強が不可欠な中で、2015年までに再生可能エネルギーの比率を最低でも25%に高める目標を設定した。
現在スウェーデンに3番目のデータセンターを建設中で、再生可能エネルギーが豊富な同国でも導入量を増やす計画になっている。スウェーデンのデータセンターも同様に2014年内に稼働する予定で、アイオワ州の新データセンターを加えて2015年の目標達成を目指す。
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