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ゴルフ場に10万枚の太陽光パネル、1万世帯分の電力を供給する発電所へ:自然エネルギー
日本海に近い鳥取県のゴルフ場の跡地で大規模なメガソーラーの建設工事が始まった。1年前に閉鎖したばかりのゴルフ場を中核とする広い用地に、10万枚にのぼる太陽光パネルを設置する計画だ。2018年3月に運転を開始する予定で、発電能力は県内で2番目に大きい29MWに達する。
メガソーラーの建設用地は鳥取県の西部に位置する米子市の淀江町にある(図1)。日本海から3キロメートルほどの距離に広がる丘陵地帯で、2014年7月までは18ホールのゴルフ場が営業を続けていた。閉鎖したゴルフ場に周辺の遊休地を加えて、大規模なメガソーラーの建設工事が9月11日に始まった。
事業者は京セラと東京センチュリーリースが共同で運営する太陽光発電専門の「京セラTCLソーラー合同会社」である。太陽光パネルには京セラ製の270W(ワット)タイプを採用して、合計で10万8500枚を設置する予定だ。全体の発電能力は29.2MW(メガワット)になる。
年間の発電量は3600万kWh(キロワット時)を見込んでいて、一般家庭の使用量(年間3600kWh)に換算して1万世帯分に相当する。設備利用率(発電能力に対する年間の発電量)は全国標準の14%を想定している。この地域の年間の日照時間は1700〜1800時間で、全国平均の1900時間よりも短い(図2)。太陽光パネルを含む発電設備の効率を高めて日照時間の少なさをカバーしていく。
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