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水力発電で1万1000世帯分の電力、流域を守る新しいダムで運転開始:電力供給サービス(2/2 ページ)
山深い青森県の津軽地方で新しい水力発電所が運転を開始した。ダムから取水する65メートルの落差を利用して最大で8500kWの電力を供給する。流域の洪水と渇水を防ぐために、古いダムに代わる貯水量の大きい新しいダムを建設する必要があり、それに合わせて発電所も一新した。
取水位置を変えて下流の水温上昇を防ぐ
津軽ダムでは工事がほぼ完了して、2016年2月から貯水状態を確認する試験堪水(たんすい)に入った。ダムの貯水部から発電機までは、ダムの堤体(ていたい)の内側に設けた取水設備を使って水流を取り込む方式だ(図5)。
堤体は高さが97メートルあり、平常時には最高で75メートルの位置まで水が貯まる。さらに20メートル上まで水を貯めることが可能で、洪水時の最高水位にも耐えられる設計になっている。この堤体の上部から取水することで、最大落差が65メートルの水流を水車発電機に送り込むことができる。
最近のダムでは「選択取水設備」を採用する方式が多い。津軽ダムでは取水する位置を6段階で変えることが可能で、放流水の温度を季節によって調整する(図6)。特に夏から秋にかけてはダムの水面に近い部分の水温が上昇するため、そのまま放流すると下流に生息する魚などに影響を与えてしまう。
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