屋根借りメガソーラーで国内最大級、物流倉庫で860世帯分を発電:太陽光
オリックスは物流倉庫や工場などの屋根を借り受けて太陽光発電を行う「屋根借り式」の太陽光発電事業を進めている。伊藤忠商事とシンガポールのMapletree Investments社が開発した物流施設「アイミッションズパーク堺」の屋根を活用した太陽光発電事業を開始した。
オリックスは2016年8月1日、伊藤忠商事とシンガポールのMapletree Investments社が共同開発した大型物流施設「アイミッションズパーク堺」(大阪府堺市堺区)の屋根を賃借し、屋根設置型太陽光発電事業を開始したと発表した(図1)。
アイミッションズパーク堺の屋根に、1万368枚の太陽電池モジュールを設置した。発電設備の出力は2.75MW(メガワット)で、単独の物流施設における屋根借り方式のメガソーラーとしては、国内最大級になるという。
発電設備は2016年6月29日から稼働している。年間の発電量は約310万kWh(キロワット時)を見込んでいる。一般家庭約860世帯分の年間使用量に相当する発電量だ。なお、発電設備の施工は三晃金属工業が行った。
オリックスでは以前からこうした屋根借り式の太陽光発電事業を推進しており、現時点で合計100MW以上、全国375サイトの開発・運営を手掛けている。太陽光発電システムの導入はすべてオリックスが行い、導入先の物流施設や工場の所有者に対し毎月賃料を支払う。屋根を貸し出す側にとっては、太陽電池モジュールの遮熱効果による施設内空調の効率改善や、屋根の経年劣化を抑制できるメリットもあるという。
伊藤忠商事とMapletree Investmentsが共同開発した物流施設の活用実績としては、「アイミッションズパーク野田」(千葉県野田市)に続き、今回が2カ所目の事例となる。アイミッションズパーク野田では約5900枚の太陽電池モジュールを設置し、出力は1.56MW、年間約164万kWh(キロワット時)を発電している(図2)。
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