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規制価格と市場価格、スペインはダブルスタンダードが残る:電力自由化、先行国はこう動いた(2)(3/5 ページ)
2016年4月の電力小売全面自由化により日本の電力市場は大きく変容を遂げようとしている。ただ世界には多くの電力自由化先行国が存在する。先行した国々ではどういう変化が起こったのか。こうした変化を紹介するとともに日本のエネルギー産業における将来像を探る。第2回は、スペインの電力自由化後の動向を紹介する。
スペイン電力・ガス市場の現状
先述した通り、スペインでは、電気・ガス小売り会社は電気・ガスの「販売」を行い、配電業者は消費者に電気・ガスの「供給」自体を行っている業者である。電力小売り会社と配電業者の関係は薄く、あくまで配電業者は技術的な問題に対して責任を負っているのにすぎない。例えば、ある消費者がパワー(アンペア)契約を変更したい場合、まず、小売り会社にコンタクトをとり、小売り業者が配電業者に依頼をするという流れとなっている。
2014年時点でのスペインの5大エネルギー会社のシェア(電気+ガス)は以下の通りである。
- イベルドローラ:39%
- エンデサ:33%
- ガス・ナトゥラル・フェロサ:16%
- EDP:5%
- E.ON:2%
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