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発電とシイタケ栽培を両立、放棄地を活用したソーラーシェアリングで成果自然エネルギー(1/2 ページ)

愛知県小牧市の三喜工務店は放棄農地を活用した営農型太陽光発電に取り組んでいる。2015年から太陽光パネルの下でシイタケ栽培を行っており、このほど初めての収穫期を迎えた。

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 太陽光発電の設置・施工を手掛ける三喜工務店(愛知県小牧市)は、2015年に愛知県で初めて農地法第4条の一時転用許可を利用し、太陽光発電と農業を同時に行う「営農型太陽光発電」に取り組んでいる。このほど2015年から栽培を開始したシイタケが無事に育ち、収穫期を迎えた(図1・2)。11月6日には地域住民や関係者とシイタケ狩りを行うという。


図1(上)/図2(下)営農型で運営している太陽光発電所。「三喜ファーム きのこ村」として太陽光パネルの下でシイタケを栽培している 出典:三喜工務店

 発電を行っている土地はもともと、雑草が生い茂り、廃屋が建つ荒れた放棄地だった。この土地を三喜工務店が取得し、解体と造成を行ってシイタケを栽培できる土地に改良した。

 発電所は最大出力255kW(キロワット)の太陽光パネルを、5カ所に分けて合計1125枚設置している。パネルの下で作物を栽培できるよう、高さのある架台を採用した。三喜工務店が独自開発した杭や自社製造の鉄骨架台を使用しており、錆を防ぐ加工を施している。太陽光による年間の予測発電量は30万1685kWh(キロワット時)を見込んでいる。一般家庭84世帯分の年間使用量に相当する発電量だ。

 パネルの下に置いているシイタケの原木は約5500本ある。植物には光飽和点があり、直射日光が当りすぎると生育にも悪影響が出る。営農型の場合、太陽光パネルが光量を調整する役割を果たすが、シイタケは日影で水分を好む性質がある。そのため、太陽光パネルの下にシートを吊るし、日光が当たりすぎないよう調整した(図3・4)。

図3 約5500本の原木を配置している/図4 井桁(いげた)に組んだ原木で栽培したものは、干しシイタケとして栽培し出荷する予定だという 出典:三喜工務店
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