太陽光モジュールを自走式ロボで洗浄、発電量アップに:太陽光
発電量の低下につながる太陽光モジュールの汚れ。ネクストエナジー・アンド・リソースはこうした太陽光モジュールの洗浄を行うサービスを全国展開する。自走式の洗浄ロボットを活用することで、作業時間やコストを削減できるという。
自然エネルギー関連事業を展開するネクストエナジー・アンド・リソース(長野県駒ヶ根市)は、2017年3月1日から、全国の産業用太陽光発電事業者に向けて、太陽電池モジュールの機械洗浄サービスを開始すると発表した。
現在、多くの太陽光発電設備では、モジュール表面に付着するほこりや水垢、鳥の糞や花粉等の汚れにより発電効率が低下し、それを解消するため人手と時間を費やし清掃作業が行われ、当初の事業計画を上回る保守管理費用が顕在化している。同社が開始するモジュールの機械洗浄サービスは、自走式洗浄機「PV Cleaner」を導入。それにより洗浄時間を3分の1に短縮するとともに大幅なコストダウンが図れるとする。
今回導入するPV Cleanerは組み立て式のポータブル設計で、野立て設置、屋根上設置のどちらも洗浄作業が可能だ。また、落下防止センサーを搭載し、駆動能力0〜35度、モジュール間隙間走行50mm(ミリメートル)、段差走行±30mmを実現している。
同サービスの料金(参考価格)は1MWあたり50万円(税別、施工費・水代・諸経費含む)から。取扱いはネクストエナジー・アンド・リソースの営業加盟店が行う。同社によると洗浄実施後、5カ月間の発電量が平均3%向上することを確認したという。なお、この数値は同社における代表的な測定値であり、保証値ではないとする。
太陽光発電設備の保守メンテナンスサービスはさらなる需要の拡大が予想されている。ネクストエナジー・アンド・リソースはそれに対応するため、今後、太陽電池モジュールの機械洗浄サービスの普及に加え、様々なメンテナンス機器を活用したオンサイトサービスを国内外に積極的にアピールし、太陽光事業のさらなる拡大を目指す。
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