“ミドリムシ”が、ソーラーパネル上を走る清掃ロボットに出資:自然エネルギー
ユーグレナSMBC日興リバネスキャピタルは研究開発型ベンチャー企業を支援するベンチャーキャピタルファンド「次世代日本先端技術教育ファンド(通称:リアルテック育成ファンド)」の第1号投資先としてソーラーパネル清掃などを開発する未来機械に出資することを決めた。
未来機械は香川大学発のベンチャー企業で、水を使わずに自動でソーラーパネルを清掃する軽量なロボットなどの開発を行っている(関連記事)(図1)。
中東諸国では再生可能エネルギーへのシフトとして大規模なソーラーパネルの設置プロジェクトが計画されている。だが、砂漠地域特有の砂塵がソーラーパネルに付着することによる発電効率の低下やソーラーパネル清掃のための水資源の確保が大きな課題となっている。その課題の解決を実現するロボットとして未来機械の開発した水を使わないソーラーパネル清掃ロボットは期待されており、乾燥地域での需要拡大が想定される状況だ。既に中東でのテストは実施されており、今後、量産化へ向けた開発段階となっている。
こうした中で、リアルテック育成ファンドでは未来機械が第三者割当増資により発行する株式を引き受け、同ロボットの量産化開発資金の資金提供、ファンドの出資企業と連携した中東諸国などでのマーケティング・販売の支援を行う。
未来機械は2004年に設立。移動ロボット、メカトロニクス機器やレーザ三次元測定機の研究開発と製造、販売、技術および知的財産のコンサルティングなどを行う。同社のソーラーパネル生産ロボットを使えば、清掃コストが5分の1に低減できるという(図2)。
リアルテック育成ファンドはミドリムシ(学名:ユーグレナ)を中心とした微細藻類に関する研究開発、生産、な販売などを行うユーグレナの100%子会社であるユーグレナインベストメントとSMBC日興証券、リバネスの3社が設立したユーグレナSMBC日興リバネスキャピタルが管理運営するべンチャーキャピタルファンド。リアルテックベンチャーの投資育成を主目的としている。リアルテックとはWeb上のみで完結しない、物理的な技術開発を伴う技術のことで、ロボティクス、バイオ、アグリエネルギー、IoTなどが含まれる。ファンドへの参加企業は計12社、ファンド規模は36億円。2015年には50億円以上のファンドにすることを目指している。
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