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中部電力が初のバイオマス専焼の発電所、12万世帯分を発電:自然エネルギー
中部電力は同社初となるバイオマス燃料専焼の発電所を建設する。三重県四日市市にある「四日市火力発電所」の構内に建設するもので、輸入した木質ペレットやパームヤシ殻を燃料とする。出力は4万9000kW、年間12万世帯分に相当する発電量を見込んでいる。
中部電力はバイオマス燃料100%の発電所を建設すると発表した。三重県四日市市にある「四日市火力発電所」の構内に、木質ペレットなどを燃料とするバイオマス発電所を建設する。
発電所の出力は4万9000kW(キロワット)で、年間の発電量は約3.8億kWh(キロワット時)を見込む。一般家庭に換算して約12万世帯分に相当する発電量だ。建設工事の開始は2018年5月、運転開始は2020年4月を予定している。
バイオマス燃料には輸入した木質ペレットとパームヤシ殻を利用する。年間22万トン使用する計画で、CO2削減量は年間16万トン程度を見込む。
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