ニュース
小水力発電でイノシシ対策、農業用水路に簡易型の水車発電機:自然エネルギー
山口県で、農業用水路を活用した小水力発電が進んでいる。東南部に位置する光市で、県内8カ所目となる発電機が稼働を開始した。発電した電力はイノシシ対策として導入する電気柵や、街灯のエネルギーとして活用していく。
山口県で設置しやすい簡易型の小水力発電機の導入が広がっている。このほど県東南部に位置する光市塩田地区の農業用水路で、新たに導入した発電機が稼働を開始した。
導入したのは里山などの整備活動に取り組む光市竹林会。農業用水路に県内のメーカーである大晃機械工業製の簡易型小水力発電機を1台導入した。設置に掛かったコストは総額30万円で、費用の全額はセブン―イレブン記念財団から助成を受けた。
簡易型小水力発電機の出力は4.8W(ワット)。0.8mの落差と、毎秒4リットルの水量を利用して発電を行う。発電した電力は、総延長約3000mの電気柵と夜間街灯として利用するLED照明に供給する。これらの設備は、農作物をイノシシなどの被害から守るためのものだ。
関連記事
- 棚田の落差で電力を作る、簡易型の小水力発電が通学路も照らす
発電能力わずか4.8Wの小水力発電設備が山口県で活躍中だ。県内に広がる棚田の農業用水路に設置して、小さな落差で発電することができる。導入費用を県が100%補助しながら、これまでに4つの地域で発電を開始した。発電した電力はサルの侵入防止対策や通学路の照明に利用する。 - 「水路で発電」を低コストに、3人で設置できるマイクロ水車
日本の各地に広がる用水路。規模は小さいものの、その水流を活用して発電する取り組みが広がっている。NTNは農業・工業用水路に設置しやすい、プロペラ式の小水力発電機を開発した。このほど福島県須賀川市の「新安積疎水」での実証を終え、2016年12月から販売を開始する予定だ。 - 小水力発電で農地をイノシシから守る、農業用水路に簡易型の水車発電機
農業用水路に簡易型の小水力発電設備の導入を進めている山口県で、新たに1カ所の農村でも運転が始まった。瀬戸内海に近い周南市の山間部にある農地をイノシシの被害から守るために、小水力発電の電力を使って電気柵を設けた。近くにはアジサイ園があり、園内の照明にも利用する。 - 落差1メートルの水路でも発電可能、設置も簡単な小水力発電機
協和コンサルタンツは新開発の用水路向けの小水力発電機の販売を開始した。同社独自開発の相反転方式を採用した発電機で、1メートルと小さな落差でも発電できるのが大きな特徴だ。 - 水道管で発電する「未来の水車」、ダイキンが小水力発電に参入
ダイキン工業は小水力発電事業に参入すると発表した。自社開発の配管に接続できるマイクロ水力発電システムを利用し、自治体と連携して水道施設などを利用した発電事業を展開する。2020年までに一般家庭2万3300件分に相当する8万4000MWhの発電を目指す計画だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.