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電力会社のスイッチング率が10%を超える、新電力のシェアが拡大:電力供給サービス
電力の小売全面自由化から約1年で、低圧分野における電力会社の切り替え(スイッチング)率は10%を超えた。2017年4月時点での販売量ベースで見た低圧分野の新電力シェアは、約4.6%まで拡大している。
経済産業省 電力・ガス取引監視等委員会は2017年8月22日、同年5月時点で一般家庭向け(低圧)における電力契約先の変更(スイッチング)件数が約634万件に達したと発表した。スイッチング率は10.1%となっている。
スイッチング件数の内訳としては、みなし小売電気事業者(旧一般電気事業者)から新電力へのスイッチング件数が約353万件(約5.6%)、みなし小売電気事業者内のスイッチング件数が約281万件(約4.5%)となった。
2016年4月以降、小売電力市場における新電力のシェアは着実に増加しており、2017年4月時点における販売電力量ベースの新電力シェアは約9.2%。電圧別には、特高・高圧分野に占める新電力シェアは約12.1%、低圧分野に占める新電力シェアは約4.6%となっている。
なお、スイッチング件数(低圧)は、2016年4月から自由化された低圧分野のみを対象としており、特別高圧・高圧分野については、2016年4月以前に自由化されていたため、今回のスイッチング件数(低圧)には含まれていない。
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