Microsoftにとって最後の頼みの綱になる米Yahoo!
Microsoftが旧世代のIT企業になり果てることを避けたいのなら、Yahoo!買収のような大胆な動きが必要だ。実際、Microsoftに選択の余地はない。
ほとんどの人は今でも米Microsoftのことを、ソフトウェア業界で比類のない超巨大企業だと思っている。さにあらず。Microsoftはただ米Yahoo!を買収したいわけではない。10年後も確実に世界ナンバーワン企業でいたいと思うなら、Yahoo!を買収しなければならないのだ。
Microsoftの没落は始まっている。企業向けVistaは振るわない。Microsoftは既に、Windows次期バージョン「Windows 7」を吹聴して関心をかき立てようとしている。LinuxとAppleの両方がデスクトップに侵攻しつつある。
Office 2007は好調だが、OpenOfficeが興味深い代替製品になっている。Microsoftの長期的な安定にとってさらに重要なことに、これはMicrosoftにとって過去10年で最も手ごわい敵だ。Webで何かを検索したいとき、ユーザーはMSN Searchでなく米Googleに行く。現在、Google AppsとそれがサポートしているODFは、オフィスへの進出を深めている。
しかしこれは、Googleがやってきたそれ以外のことに比べればささいなことだ。Googleは検索分野での優位性をネット広告における絶大なパワーに変えた。GoogleがMicrosoftを抑えてネット広告会社のDoubleClickを買収したことで、収益はさらに増えるだろう。OpenSocial戦略とDataPortabilityへの参加により、Googleがすべてのソーシャルネットワーキングサービス(SNS)のフレームワークになることは約束された。ああそれから、Googleが700MHzの周波数帯を押さえてモバイル分野にも進出しようとしているというのは言っただろうか。
もしMicrosoftが旧世代のIT企業になり果てることを避けたいのなら、例えばYahoo!買収のような大胆な動きが必要だ。事実上、Microsoftに選択の余地はない。
残念ながら、Microsoftは行動を起こすのに時間がかかり過ぎたとわたしは思う。現在、Yahoo!は落ち目にある。1000人を削減し、さらに追加削減を行うといううわさもある。株価は4年ぶりの低い水準となり、執行権を持たない会長であり前CEOのテリー・セメル氏は取締役を辞任。どうしてこんな事態になったのか。なぜならYahoo!は既に、Googleには対抗できないということを実証してしまったからだ。
下降基調にある2社が合併すればGoogleを打ち負かせるのか。怪しいものだ。それでもMicrosoftは試みるべきなのか。そう、そうしなければならないのだ。
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