互いが都合のいい時にアイデアを出し合う【問題編】:シゴトハック研究所
アイデアを5つ考えてくるよう言われたヒロシ主任。仲間とアイデアを出し合おうにもなかなか時間が取れないのが実情です。そこで──。
今回の課題
一人では難しい「考える」仕事をうまく進めるようにするには?
次回のミーティングまでに、企画案を5つ考えてくるように言われたヒロシ主任ですが、まだ1つも浮かばずに苦悶しているようです。
ヒロシ主任 うーん、うーん……。
タカフミ君 どうしたんですか?
ヒロシ主任 この間のノリオ課長の新規事業プロジェクトミーティングで、次回までに事業化の企画アイデアを5つ考えるって課題、まだ1つも浮かんでないんだ。
タカフミ君 もう日があまりないですよね。
ヒロシ主任 うーん、マズイ。
タカフミ君 あ、そういえば、僕もマーケットリサーチの方法について考えないといけないんだった。それにしても、この「考える」って仕事は、つい先送りにしちゃいますよね。
ヒロシ主任 あぁ。時間をかけたからといってその分だけ進むわけじゃないからかな。
タカフミ君 それこそいくらでも時間かけられますよね。一日中考えても、1つもいいアイデアが浮かばなければものすごいショック。
マサヨシ課長 何がショックなんだい?
タカフミ君 あ、課長。いま「考える仕事」について考えていたんですけど。
マサヨシ課長 へぇ。で、何か良い考えは思いついたかね?
ヒロシ主任 いやぁ、もう時間ばかりどんどん過ぎていって、いっこうに進まないんです。
マサヨシ課長 せっかく2人いるんだったら、2人の力を使ったらどうだい?
タカフミ君 と、おっしゃいますと?
マサヨシ課長 人間、一人で考えられることには限界がある。体験できることも限られているしね。いろいろな人の立場に立って考えろ、とはよく言われるが、実際のところは難しい。どうしても自分の価値観や視点に縛られてしまうわけだ。
ヒロシ主任 まったく同感です。
マサヨシ課長 三国志は知っているよね? その中で蜀の劉備と軍師の諸葛亮の関係は、君たちにとって参考になるだろう。
タカフミ君 僕は諸葛亮が好きですね。じゃぁ、ヒロシ主任は劉備やってください。
ヒロシ主任 え、コントでもやるの?
マサヨシ課長 ウム、コントはまたの機会にしよう。でも、似たようなものだ。要するにお互いに、相手からアイデアを引き出し合うようにするんだ。
タカフミ君 それならさっきからやってますよー。でも時間ばかりかかってほかにも仕事があるし……。
マサヨシ課長 そういう時こそ、タカフミ君得意のITを活用するチャンスじゃないかな。
ヒロシ主任 何かいいツールでもあるんですか?
マサヨシ課長 まぁ、特別なツールというわけでもないんだが、これを使えばお互いが都合のいい時にアイデアの出し合いができる。しかも、メールと違って埋もれたりすることはない。それは──。
→解決編に続く
筆者:大橋悦夫
仕事を楽しくする研究日誌「シゴタノ!」管理人。日々の仕事を楽しくするためのヒントやアイデアを毎日紹介するほか「言葉にこだわるエンジニア」をモットーに、Webサイト構築・運営、システム企画・開発、各種執筆・セミナーなど幅広く活動中。近著に『「手帳ブログ」のススメ』(翔泳社)がある。
関連記事
- シゴトハック研究所 バックナンバー
- 一人でできないことは同志を募って始めてみる【解決編】
新しい取り組みを習慣として根付かせるためには、一人だけでやるよりも、仲間を募って一緒に試みることも重要です。 - 1人でできないことは同志を募って始めてみる【問題編】
常に同時進行する複数のプロジェクトを抱え、ほとんど毎日のように終電間際まで仕事に励むタカフミ君とヒロシ主任。終わりの見えない毎日に2人とも疲弊気味です。 - 劉邦に学ぶ時間の“補給路”確保戦術【解決編】
その日使える時間の目一杯まで仕事を入れようとしていませんか。それでは時間の“補給路”が伸びきってしまいます。 - 前倒し仕事術(2)──「五条大橋の戦い」に学ぶ
やっつけたい仕事を「橋」に誘い込んで、“一対一の戦い”に持ち込む。これを意識することで、「前倒し」を普段から実践し、さらには習慣化できるようになります。 - 前倒し仕事術──「嵐の前の静けさ」を合図に(1)
前倒しで仕事をするにはどうすればいいのか。キーワードは、「向こう1週間の予定やタスクの確認」「長篠メソッドの応用」「嵐の前の静けさを合図に」です。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.