プロジェクトの進捗をWikiで共有【問題編】:シゴトハック研究所
「wikiを活用してメンバーの進捗を管理する方法」について、ヒロシ主任とタカフミ君らが話し合っています。いったいどのような方法を採用するのでしょうか。
今回の課題
- wikiを使ってプロジェクトの進捗を効果的にシェアするには?
前回のノリオプロジェクトの週次進捗ミーティングで持ち上がった「wikiを活用してメンバーの進捗を管理する方法」について、ヒロシ主任とタカフミ君が中心となって話し合っています。
ノリオ課長 ここまでにみんなから出た意見をまとめると、
- あまり手間を掛けずに書き込みができること
- 仕方なく書き込むのではなく、それを見るとやる気が湧くような仕掛けにすること
- メールに書くほどでもないが、共有しておきたい情報をどのように扱うか
という3点だね。
タカフミ君 wikiというのは初めは取っつきづらい面があるので、まずは敷居を低くしないとですね。ヒロシ主任は、wikiを使ってみた最初の印象はどんな感じでした?
ヒロシ主任 やっぱり、最初は面倒くさいなぁ、という感じだったかな。見た目は掲示板なんだけど、いろいろと記述ルールがあって、それを覚えれば表現力もアップするんだろうなぁ、とは思いつつ、やっぱり面倒で……。
タカフミ君 でも、最近の書き込みを見ていると、さほどアレルギーのようなものは感じてないように見えますけど。
ヒロシ主任 うん、やっぱり自分の書いたことに反応があるというのは励みになるし、実際に1人で考えていたのでは思いつかなかったようなアイデアが得られることもあるし、そのあたりかなぁ。でも、今回は進捗の管理ということだから、少しモードが違うかも知れない。
タカフミ君 例えば、毎朝めいめいで「今日やることリスト」をwikiにアップする。そして、退社する前にどれが終わって、どれが終わってないかがわかるようにする、というのはどうでしょう。
ノリオ課長 みんなが見えるところに書くことで、「今日私はこれとこれをやる!」という宣言をすることになるわけか。そして、帰る前に本当にできたかどうかを更新することで、「宣言した手前、終わらせないわけにはいかない」というプレッシャーも得られそうだね。
タカフミ君 あー、でも、途中で息切れしちゃうかも。それにノリオ課長もみんなの「やることリスト」を見て回るのはけっこう大変だと思いますよ。
ヒロシ主任 一番の目的は、進捗の管理なわけですから、個々人の「やることリスト」よりも、プロジェクト全体のタスクがどれだけあって、それぞれは誰が担当していて、どれとどれが終わっているのかが分かれば良いんじゃないですか?
ノリオ課長 なるほど。みんなで大きな壁のペンキ塗りをしていくような感じなのかな。あるいは塗り絵かな。
タカフミ君 あ、そうですね! まさにまさに。
ヒロシ主任 塗り絵かー。何となくイメージが湧いてきました。どこを塗るかの枠はあらかじめ書いてあるんですよね。
ノリオ課長 よし、そしたらその「塗り絵」をwikiでどういう風に実現するかについて考えていこうか。
筆者:大橋悦夫
仕事を楽しくする研究日誌「シゴタノ!」管理人。日々の仕事を楽しくするためのヒントやアイデアを毎日紹介するほか「言葉にこだわるエンジニア」をモットーに、Webサイト構築・運営、システム企画・開発、各種執筆・セミナーなど幅広く活動中。近著に『「手帳ブログ」のススメ』(翔泳社)がある。
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