ケース1――片付けできないIT系記者【前編】:乱雑デスクのビフォーアフター
書類整理をサボっていると、机の上はあっという間に散らかってしまう。ファイル製品を使った整理術を研究するキングジムの「ファイリング研究室」で室長を務める矢次信一郎さんが、今日も今日とて乱雑デスクをキレイにすべくコンサルする――。
「取扱説明書ファイル」などのファイリング製品で有名なキングジム。社内には、ファイルを使った整理術を研究する「ファイリング研究室」が設けられている。この物語は、キングジムファイリング研究室で室長を務める矢次信一郎さんが、雑然としたデスクをたちまちのうちにキレイするべく、時にやさしく、時に厳しくコンサルティングする物語である――。
IT系記者(31歳男性独身)の場合
さて、今回指導される側なのが、筆者こと、IT系記者歴5年となる本誌Biz.IDの鷹木記者。31歳男性独身である。筆者は途方にくれていた。あまりにも自分の机の上が散らかっていたからである。しかも、この週末には社内の引越しが控えていた――。
もともと後片付けは得意なほうではない。むしろ苦手だ。その上、記者仕事は多くの資料との“格闘”でもある。貴重な資料は捨てることもままならない。さらに、書類以外にメーカーから貸し出された製品や、ネタになりそうな面白グッズがあふれているのも問題だった。
とはいえ、このまま混沌度が高まれば、重要な書類が埋もれかねない。周囲の目も厳しいし、週末の引越しを機に「何とかせねば。でもどうしたら……」と思い悩んでいたところに救いの手を差し伸べてくれたのが、“ファイリングの達人”矢次信一郎さん(キングジムファイリング研究室室長)だった。
Biz.ID編集部に入ってくるやいなや、「このあたりは“特に”散らかってますね」と苦笑する矢次さん。こちらも苦笑いを浮かべるしかない。さて、どうしましょうか。2人で混沌とするデスクを前に腕を組む。じっくり作戦を立てる――つもりだったのは筆者だけだった。
ファーストステップ:モノをどかす
「では」と言いながら、矢次さんはいくつかダンボールを取り出した。「とにかくデスク上のすべての書類や荷物を、置いてあった場所ごとにダンボールに詰めましょう」。
そうなのだ、この混沌を収集するには、いったん机の上にあるものをすべて取り除く必要がある。右側にあるもの、中央にあるもの、左側にあるもの、といった風にどんどんダンボールに入れる。明らかに不要なものは、この際捨ててしまってもいい。場所ごとにダンボールを分けたのは、あとで置き直すときに分かりやすいからである。
「整理する」は「自分の仕事を知る」こと
キングジムでコンサルティングを行う際は本来、2週間ほど時間をかけて作戦を練る。特にその人にとって必要なもの/不要なものというものは、コンサルティングをするキングジムには分からないからだ。この2週間で、「自分の業務に必要なものリスト」を作成する。いわば「整理する」ということは、自分の業務を熟知していないとできないのである
矢次さんが「次はここです」と指したのは、机の引き出し。「マジですか!?」と筆者は思わず声を上げた。「キレイにしたいのは机の上だけで机の中はいいだろう」と高をくくっていた。引き出しの中は机の上以上に混沌である。嫌がる筆者を気にもせず、矢次さんは、ぐいと引き出しを引っ張る。引っ張るが開かない。わー、引き出しにしまっていた外付けHDDが引っかかってました……。
引き出しの中も机の上と同じように、引き出しごとにダンボールを分けた。もちろん、この時に明らかに不要なもは捨ててしまおう。開始から30分程度で、何とかモノをどかすことはできた。どかしたモノの量はダンボールでおよそ9箱分。ふうっと一息したら、「ここからですよ」と矢次さんが不敵に笑った――。(次回に続く)
今回のターゲット | Biz.ID編集部記者 鷹木創 |
---|---|
経歴 | IT系記者になって5年 |
整理整頓 | 苦手 |
机の上の割合 | 書籍30%、グッズ30%、書類20%、空きスペース20% |
指導方針 | モノをどかす 場所ごとにダンボールにまとめた。明らかに不要なものは捨ててもいい。迷うようだったら次のステップにとっておく |
片付けられない方、募集します!
今日から始まった新連載「乱雑デスクのビフォーアフター」では、整理整頓が苦手な方を募集しています。場合によっては、“ファイリングの達人”であるキングジムの矢次信一郎さんがコンサルティングいたします。
なお、コンサルティングの様子はBiz.IDにて掲載させていただきますので、ご了承下さい。写真や動画を撮影させていただく場合がございます。ご希望の方は、以下のフォームで必要事項をお送り下さい。
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