コンサルティング不要のSFA「サイボウズ ドットセールス」
サイボウズがSFA市場に本格参入する。コンサルティングやカスタマイズを必要としない製品によって、中小企業へのSFAの拡大を図る。
サイボウズと、同社グループ会社のインテグラート・ビジネスシステムは7月23日、SFAのパッケージ製品「サイボウズ ドットセールス」の販売を開始したと発表した。
SFA(Sales Force Automation)は営業支援システムのことで、営業先へのコンタクト履歴や商談の進捗状況、営業スケジュール、顧客情報などを蓄積、部内で共有できる情報システム。国内では大手企業を中心に10%程度の企業に導入されている。
SFAの大衆化目指して、コンサルティング不要に
国内では、ソフトブレーンの「e-セールスマネージャー」、Salesforce.comの「Salesforce」、NIコンサルティングの「顧客創造日報」などがSFA製品として大手。しかしいずれも導入に当たってはコンサルティングが必要とされることが多かった。
サイボウズ ドットセールスでは、機能性よりも導入の容易さを重視。コンサルティングなしで導入でき、運用できる製品を目指した。「SFAを導入した企業にヒアリングすると、利用が難しく、教育が必須のため利用が進んでいないという回答。教育コストなく導入できることで、営業情報の共有を簡単に進めたい」(サイボウズ)
対象企業は営業担当が50名ほどの中小から中堅企業。同規模の企業を対象としたサイボウズのグループウェア「ガルーン2」とのパッケージも用意し、2008年1月末までに100社の導入を目指す。
3つのポイント──「活動報告」「顧客管理」「システム管理」
サイボウズ ドットセールスのポイントは大きく3つ。まず「活動報告」は、サイボウズ ドットセールスに搭載されたスケジュール機能と連動し、1つのスケジュールに対し活動報告が紐づく形となっている。活動報告が行われていないと、トップページに表示され、記入を促す仕組みだ。入力したスケジュールを「ガルーン2」に反映させる仕組みも設けた。
活動報告を記入していると、顧客別に集計され、「顧客管理」が容易に可能。顧客の重要度をA〜Dの4段階に分け、訪問頻度などを分析することもできる。
「システム管理」は従来コンサルティングを行い、業務内容に合わせてカスタマイズする部分だったが、サイボウズ ドットセールスでは自由にカスタマイズを可能にした。
「グループウェアは機能を絞り込んで汎用化したことで中小企業を中心に受け入れられた。同様のことがSFAにも言える。カスタマイズを必要としない製品によって、一気に導入が広がるのではないか」(サイボウズ)
なおサイボウズ ドットセールスはパッケージ製品だが、SaaS型(ASP)製品はグループ会社からの提供を検討している。
価格は105万円(30ユーザー)から。以降、50ユーザーまでは1ユーザーにつき3万4000円、100ユーザーまでは1ユーザーにつき3万3000円、100ユーザー以上は別途見積もりとなる。またガルーン2との同時購入、ガルーン2の既存ユーザーには50%引きで提供する。
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