ケース2――片付けできないNPO【前編】:乱雑デスクのビフォーアフター
書類整理をサボっていると、机の上はあっという間に散らかってしまう。ファイル製品を使った整理術を研究するキングジムの「ファイリング研究室」で室長を務める矢次信一郎さんが乱雑デスクをキレイにすべくコンサルする。今回のターゲットはNPOの「シーズ」だ──。
「取扱説明書ファイル」などのファイリング製品で有名なキングジム。社内には、ファイルを使った整理術を研究する「ファイリング研究室」が設けられている。この物語は、キングジムファイリング研究室で室長を務める矢次信一郎さんが、雑然としたデスクをたちまちのうちにキレイするべく、時に優しく、時に厳しくコンサルティングする物語である――。
紙の書類が多いNPO
さて、前回に続く「乱雑デスクのビフォーアフター」のターゲットは、NPOの「シーズ(市民活動を支える制度をつくる会)」だ(2006年11月の記事参照)。
シーズは1994年に設立したNPOで、その名の通りNPOが活動しやすいような環境作りを主に行っている。いわば「NPOのためのNPO」なのである。例えば、市民団体が簡単に法人格を取得できるようにNPO法の創設を与野党に働きかけたり、NPOに対する税制の優遇措置などを訴えてきた。現在は「ファンドレイジング」と呼ばれる資金調達を国内で模索している。
NPOというと、どちらかというとアナログな印象を持つ方も少なくないはず。ITからは程遠く、デジタル化されていない紙の書類に追われる姿が思い浮かぶ。基本的にシーズも紙の書類は多いのだが、その一方、マイクロソフトなどの大手IT企業などから助成金を得ていることもあり、PCなどの機器も充実を目指している。書類だってできることなら電子化したいが、紙の書類が整理していないと電子化もままならない。どうしても紙の書類を整理しておく必要があるのである。
捨てられないから溜まる
シーズは、神楽坂のとあるビルの1室(約60平方メートル)に入居しており、8人程度のスタッフが出入りしている。その中でも今回は、プログラム・ディレクターの田中康文さんの机の上を見てみよう。
田中さんの机の上は、見ての通り書類だらけ。イベントや会議の議事録の書類が山積みで、隣の席まで“侵食”している。「講演イベントで使った配布資料は、後から資料請求があった場合に備えて捨てずに置いてるんです。議事録も相手が地方自治体だったりすると、保管しておかなければいけない期間が長いので……」(田中さん)
捨てられないから溜まる──。どうやら、片付けるには捨てなければならないことは田中さんも理解している模様。とはいえ、なかなか捨てにくい書類であるのも事実のようだ。
さて、矢次さんどうしましょう。「まずは机の上の荷物をいったん全部なくすことが大事ですね」(キングジム矢次さん)。お、前回と同じやり方ですね。それではともかく机の上から荷物を取り除いて見ましょう──。
実施該当者 | 個人 |
---|---|
組織タイプ | チーム型(プロジェクト) |
業務タイプ | バックオフィス(企画、開発、研究など) |
業務サイクル | 相手優先 |
主な媒体 | 紙文書 |
(次回へ続く)
片付けられない方、募集します!
連載「乱雑デスクのビフォーアフター」では、整理整頓が苦手な方を募集しています。場合によっては、“ファイリングの達人”であるキングジムの矢次信一郎さんがコンサルティングいたします。
なお、コンサルティングの様子はBiz.IDにて掲載させていただきますので、ご了承下さい。写真や動画を撮影させていただく場合がございます。ご希望の方は、以下のフォームで必要事項をお送り下さい。
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