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第1回 “分かりやすく説明”しては、いけないんですか?:新入社員がやってくる──専門知識を教える技術(3/5 ページ)
4月は人事の季節。新入社員や異動してきたチームメンバーたちに“専門知識の教育”を施さなくてはなりません。「簡単に言うけど、なかなか難しいんだよ」と悩む方も多いのでは? 今回の短期集中連載では、その方法を徹底的に説明します。
こういう落とし穴にはまってしまう例が多いのには、ハッキリした理由があります。それを簡単にまとめたのが図3です。
「専門知識」にはたいてい「土台となる基本構造」があり、その上に「特定の目的に沿って組み立てられた応用形」があるものです。ところが、「基本構造」のほうは素人がイメージしにくいことが多いうえに、実際の現場で表面上使われる知識は「応用形」が中心であることが多いため、初心者向けの教育ではついつい「基本構造」を省略して「応用形」だけを教えたくなります。しかしそれでは「変化に弱い」知識しか身につきません。
もし、
- 手っ取り早く明日の単純作業をさせるワーカー
の教育をするのなら、それでもいいでしょう。しかし、
- 自ら考えて「変化」を起こせるプロフェッショナル
を育てたいのなら、応用形だけではダメです。基本構造からしっかり教え込まなければなりません。
ということは、「どうしても根本的に分かりにくいこと」であっても逃げずに説明しなければならないのです。
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