後輩の給料が高くてうらやましい:岩崎部長、教えてください!
私が入社したころに比べて、新卒の給与水準が高いです。月額で私と数千円しか変わりません。業績によって給与が変わるのは致し方ないことだとは思いますが、やり切れません――。
ビジネスパーソンが抱える大きな関心事の1つは給料です。他人と比べて一喜一憂することも多いはず。もちろん額が大きければ大きいほどうれしいですが、果たしてそれだけが問題なのでしょうか。質問に答えるのは、GMOメディアの取締役でコミュニティ事業部の岩崎綾(いわさき・あや)事業部長。相談は、後輩との給与水準の違いについてのようです。
後輩の給料が高くてうらやましい(男性、29歳、企画、主任)
新卒で入社して以来、商品企画を担当しております。私が入社した頃は、いわゆる就職氷河期。給与水準も低いものでした。それでも仕事が楽しかったので、今日まで夢中に働いてきたのです。
昨年、人事に「新卒の採用面接をしてほしい」と頼まれ、せっかくでしたのお手伝いすることにしました。新しい経験でしたので新鮮でしたし、今年の新入社員とも面識を得たのはよかったです。
ただ、1つ驚いたのが、私が入社したころに比べて、給与水準が高まっていたことでした。正直、月額で私と数千円しか変わりません。業績によって給与が変わるのは致し方ないことだとは思いますが、やり切れない思いです。労働組合もないような中小企業ですが、この思いはどこにぶつけたらいいのでしょうか。
転職もありだが、お金だけじゃない
相談者のようなケースがあるので、たいていの企業は、給与水準の低い人に採用面接を任せない場合が多いはずです。そういう意味では、採用面接をお願いされた時点で、相談者の給与を考慮しないのであれば、会社側も配慮が足りないように思えます。相談者の気持ちを考えると、率直に転職もありでしょう。
ただ金額だけが問題なのでしょうか。入社してから今日まで経験したことで「これができるんだぜ」というスキルを手に入れているはず。スキルの貯金ができているのです。たとえ給与が数千円しか違わなくても、そういう貯金があれば食べていくのに困らないし、転職だってできます。給料だけで働いているわけじゃないことを忘れてはいけません。
今回も、採用面接をきっかけに新卒の給与水準を知ってしまってショックでしょうが、新卒とコミュニケーションできたことも立派な財産。仕事に就いていることで得られるお金と経験、その両方をいつも考えながら、転職するなり、仕事を続けるなり考えたほうがいいのではないでしょうか。
今回答えてくれた部長さん 岩崎綾(いわさき・あや)さん
GMOメディア取締役コミュニティ事業部部長。東京都出身。1995年、ソフトバンクに入社し、IT雑誌の編集に従事。2000年、インプレスに入社。IT系ムック雑誌編集、Webニュースサイト編集に携わる。2006年、ブログ事業「ヤプログ!」の事業責任者としてGMOインターネットに入社。ヤプログ!事業移管に伴い、GMOメディアに転籍。現在は、コミュニティサイト「freeml」、日記サイト「さるさる日記」、無料ホームページサービス「プリキャン革命」事業を担当。10歳男児の母。
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