ネットで同期を取る理由は、それが簡単だからなのだ:シゴトハッカーズ(3/3 ページ)
HDDが壊れた。あのファイルはあっちのPCに入っていた。困った――。そんな経験があるなら、バックアップやPC間の同期を試してみたい。ただし重要なのは“簡単でバックアップを意識しない”でできること。インターネットディスクからSugarSync、裸族のお立ち台、DiskMirroringToolまで紹介します。
自動同期の強み
自動同期を取るためのサービスや、バックアップを取るためのソフトなどは数多くありますが、基本的に、全く同じ内容のファイルセットやフォルダを用意する目的は2つあります。
1つは、複数のPCやモバイル機器間で、同一の情報にアクセスできる体制を整えること。もう1つは、自動的にバックアップを取ることです。
同期が自動的に取られていないと、複数のPCを使っている場合、必要な情報が得られなかったり、仕事のための作業ファイルが扱えなかったりと、さまざまな障害に見舞われます。
人によっては、自動的に同期を取るサービスなど利用せずとも、オンラインストレージサービスなどを利用して、手動で最新の状態にアップデートすればいいではないかと思うかもしれませんが、間違わずに決まった作業を確実にこなす、という点において、人間の能力はあまりあてになりませんん。
小まめにセーブすることの重要性や、小まめにバックアップを取ることの大切さは、そこかしこで強調されています。しかし、落雷とともにサーバやPCがダウンしてしまったときに限って、セーブを怠っていたりするものです。実際にはこれは、いわゆる「マーフィーの法則」ではなく、怠っていることの方が多いから、そうしたトラブルに見舞われる確率も、もともと高くなっているのです。
そのような、あまりあてにならない習慣を自らに課そうとするよりも、自動同期サービスを利用した方が確実です。「忘れていたときでも同期され、バックアップも取られている」という環境を整備しておくことで、習慣を継続するエネルギーも、そのことを忘れずに実行する記憶力も、解放されるわけです。
自動同期やバックアップに以上のような目的があると想定するなら、この種のサービスにおいて理想的な機能とは、
- スピーディーな同期作業
- 一定以上の容量
- フォルダを選ばないこと
- 容易なリストア
- 普段は作業中のサーバの存在を意識しないでもよいこと
などが挙げられるでしょう。
スピーディーでないと、同期が終わるかどうかを気にしなければなりません。容量が少ないと、作業用のフォルダを分割しなければなりません。フォルダが「マイドキュメントの下の特定フォルダ」などと決められていると、デスクトップなどは使えなくなります。リストアが容易でないと、せっかくのバックアップ機能が生きてきません。
最後に、普段からどんな作業をしているかを意識しなければいけないのでは、せっかく「自動」であることのメリットが薄れてしまいます。
逆にいえば、これらがすべて満たされているなら、複数のPCで作業していても、そのことをいちいち意識せず、いつも同じ環境で、同じ情報に安心してアクセスできるわけです。
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