本当に「速い」プリンタの見つけ方:チーム用ビジネスプリンタ選び、8つのポイント(3/3 ページ)
文書はササッと印刷してしまいたい。だからなるべく印刷速度が速いプリンタに越したことはない――と思いきや、実は印刷速度に関してはもう1つ、見落としがちな大事なポイントがあるのだ。
わずか3分の印刷時間短縮でイライラから開放
最後に、短時間で印刷が完了することがどれだけ効率を高めるか、計算してみよう。
計算に使う2台のプリンタ
- 毎分20枚、ウォームアップ時間が30秒のプリンタ
- 毎分16枚、ウォームアップ時間が30秒のプリンタ
それぞれのプリンタが1分間に出力できるA4用紙の枚数は、毎分20枚のプリンタでは11枚、毎分16枚のプリンタでは9枚となる。
「わずか2枚しか違わないじゃないか」。そう思う人も多いだろう。だがここにこそ落とし穴があるのだ。
例えば同じプリンタで会議資料を240枚、1度に出力するとしよう。この場合、毎分20枚のプリンタではトータルで約12分、毎分16枚のプリンタでは約15分かかり、その差は約3分になる。
わずか3分と思うかもしれないが、同程度の会議用資料の印刷を5人が行ったとすると毎分20枚のプリンタを使えば毎分16枚のプリンタを使って印刷するより15分も短時間で資料の印刷が完了することになる。
「おーい、会議資料はまだか〜?」などと言われ、「もうすぐです!」と返事をしつつ、プリンタの前でイライラしながら待ったことのある人は多いだろう。これが解消されることを考えれば、わずか3分の効果は大きい。
A4用紙240枚刷るのにかかる時間の計算
毎分20枚のプリンタ
ウォームアップとFPOの最初の1枚で30(秒)×1(枚)=30(秒)で0.5分となり、残り239枚を印刷するのに239(枚)÷20(枚/分)=11.95分かかる。
0.5(分)+11.95(分)=12.45分が印刷にかかる時間。
毎分16枚のプリンタ
FPOは毎分20枚のプリンタと変わらないが、残り239枚にかかる時間は239(枚)÷16(枚/分)=14.9375分となる。
0.5(分)+14.9375(分)=15.4375分が印刷にかかる時間。
このように印刷速度が高速かつ印刷にかかる時間が短い製品を選択すれば、かなりのメリットだ。だからといってズルズルと会議資料の作成を引っ張ってしまったり、ダラダラとビジネス文書を作成していたのでは本末転倒。気を付けよう。
ここがポイント「本当に速いプリンタの選び方」
ドクトルP というわけで今回のポイントは――。
- 本当の「速さ」は、印刷時間をトータルで考えること。
- トータルの印刷時間はppmだけでなく、FPOまでのウォームアップ時間も含まれる。
- 大量に刷る機会が多い部署ではppmを、少量しか刷らない部署ではFPOをより重視すればいい。
プリンちゃん ふむふむ。つい印刷速度に気をとられがちだけど、FPOも重要なのね。
ターくん だねー。けどホント、ppmにFPOなんて専門用語も分かるようになったし、プリンタに詳しくなってきたよね。参ったなあ、もう♪
プリンちゃん 浮かれるのはまだ早いわよ。まだあと3つ、教えてもらうポイントが残ってるんだから。ね、ドクトルP。
ドクトルP やれやれ……。
2人のプリンタ選びはいよいよ終盤戦へ――。
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