ケータイメールを記憶のフラッシュメモリとして使うのだ:シゴトハッカーズ(3/3 ページ)
一回しか使わないけど、正確に覚えておかなくてはいけない情報ってありますよね。訪問先の住所とか、打ち合わせで使う数字とか。短期的に覚えておけばいい情報をどうやって持ち運べばいいのでしょうか。
携帯ツールは短期記憶の補助に
筆者に限ったことではないと思いますが、携帯電話やiPhoneなどのツールは、人間の短期記憶の弱点を補う目的で活用するとよいでしょう。
短期記憶の弱点としては、まずよくいわれる容量的な限界(7±2のチャンク情報)があります。まとまりがないデタラメな数字や文字列は、いちどきに5から9字しか覚えておけない、とよく指摘されているアレです。
ですが短期記憶の弱点はこれだけではありません。記憶内容が不正確で、あいまいすぎるのも欠点です。
例えば打ち合わせ場所までの行き方ひとつ取っても、全く見当もつかないということはあまりないもので、事前に地図を見ておけば、何となくは覚えているものです。しかし、その何となくの記憶を頼りにすると、目的地まで行き着くことができないのです。
相手の携帯電話の番号もそうです。何となくは覚えていて、はじめは080だったとか、最初と最後は5だったといったことは思い出せます。しかしそれでは電話できない。
要するに、人間の短期記憶の情報だけでは、あいまいすぎて、ピンポイントの情報が必要な場合には、頼りにできないのです。だからこそ、正確に情報が記録されているネットやメールに、デジタルツールでアクセスしたいという要望があり、これをみたすために、インターネット接続が可能な携帯電話などを使うわけです。
打ち合わせでお話しする人の電話番号や行き先までの情報などは、つい1週間前に聞いたばかりで、すぐに必要になる情報です。すなわち、短期記憶です。人間の短期記憶は、名前や番号を精密に覚えておくためのものではなく、ついさっき自分が何をしていたかとか、今何をしようとしていたかなどという、無意識的な方向付けのためのものなのです。
ですから、もともと電話番号のように正確さを求められるものには向かないのです。そういうものは携帯電話やPDAや紙などに記録しておき、短期記憶は、何を見ればいいかを思い出すために使うべきでしょう。
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