「察してよ!」の女、気づけない男の交差点 【寄り道女とゴール男の会話術】:「早起きは三文の得」実行委員が行く(3/3 ページ)
男性の皆さん、女性の回りくどい言い回しにイラッと来たことはありませんか? 女性の皆さん、自分が言いたいことを男性が察してくれずガッカリしたことはありませんか? 直感では理解できないことは学習し、習慣づけてしまえばいいんです。
女性からのメルヘンメールに、男性は戸惑っている!?
もう1つ、メールのやりとりでのすれ違いを見ていこう。男性の方々、女性から次のようなメールをもらって戸惑ったことはありませんか?
「冬男さん、こんにちは。秋穂です。今、部屋の窓越しにウロコ雲が澄んだ空に浮かんでいるのが見えます。秋が深まってきたんですね。
さて、紅葉を観にいくの、私も賛成です。誘ってくれてありがとう。とってもうれしい。来週は予定が入っているから再来週の日曜なら大丈夫です。冬男さんのご都合はいかがですか?
(中略)
この間、近所を散歩していたら、大通りの並木から銀杏の実の香りがほのかにしました。かと思えば一歩路地に入ると、今度は金木犀の甘い香りが鼻孔をくすぐったんです。冬男さんの近所では、どんな樹木が香っていますか?
(中略)
金木犀の香りって私には特別なんですよ。小学生のころって誕生日会をやりますよね? 10月生まれだから、毎年、金木犀の香る時期に母や友達が誕生日会をしてくれました。あの甘い香りは、誕生日会で金木犀のオレンジ色のフラワーシャワーを浴びている時、胸いっぱいに吸った香りなんです。母が縫ってくれた無地のワンピースが、ほんの一瞬、オレンジの小花模様になるのがうれしかった。
(中略)
大人になった今も、金木犀の香りを突破口に少女時代に感じた空気感や感覚や思いが、バケツの水をひっくり返したみたいに、一気に私の中になだれこんでくるんです。『ああ、あの時あんなこと、こんなこと、そんなこと考えたな』って。冬男さんにとって、そんな特別な香りや光景はありますか?(以下省略)」
デートに誘った女性から、デートの返事のみならず多くの話題が盛り込まれた、こうした長大なメールが届く。返事が来たのは確かにうれしい。その半面、重いメールを前に「こんなに丁寧に書いてくれてるんだから、ちゃんと返さなきゃ」とプレッシャーに感じ、戸惑ってしまうのだ。
気の利いたことを書こうと話題を探したり、書き直したりを繰り返したりするうち、気付くと3日たっていた。そこで「早く返事を書かないと」と、返事をしていないことがプレッシャーに輪をかけて、つい返事を出せずじまいになってしまった――といった経験はないだろうか。
「生きてますか?」 男性へのメールは一問一答で簡潔に
「女性は、とかく1つのことを書こうとしても、女性脳のせいで次から次に話題が頭に浮かびます。それをついつい書いてしまって、結果、話題を盛り込みすぎる傾向があるんです」(黒川さん)。
男性は女性ほど、多くの情報を一気に処理できない。目の前の事象を論理的に把握しようと、1つのことを処理する。さらに結論から把握しようとするため、回りくどい言い回しを嫌う。だから、こうしたメールの書き方は最も避けた方がいいという。
黒川さんには夫と中学生の息子がいる。家庭での会話はすべて男性相手だから、異性間の会話を毎日ケーススタディしながら生活しているのである。そんな環境下、黒川さんは息子あてのメールも、返事がすぐ返ってくるようなある工夫をしているという。
名付けて「生存確認メール」というものだ。彼女は息子の帰宅が遅いと、「生きてますか?」と一言だけメールを送る。すると息子は、あわててすぐ返信してくる。「用件を1つだけに絞り、簡潔に書く」のが、黒川さんが編み出した男性に送るメールの鉄則だ。1つだけ問いかけると、男性は必ず返事を返してくるという。質問と文章量が増えるほど、返りはにぶるそうだ。
また、女性は自分が送ったメールの文章量に比べて、男性から返ってきたメールの文章量が少ないからといって「どうして?」と思わない方がいいという。男性脳は1つのことしか処理ができないからだ。
異性のことを互いに「どうして?」と思っても溝は埋まらない。だから男性は女性のことを、女性は男性のことを「分からない装置がここにある」(黒川さん)と、開き直ることから始めるのが最も重要なのだ。
次回は「男性は女性に対し、どう会話を持っていけばいいか」を、ビジネスシーンの会話術を中心に見ていこう。
関連記事
- 「沈黙」もまた、会話である 【寄り道女とゴール男の会話術】
「女性部下の言動が理解できない」と手を焼く男性上司の皆さん。「男性上司との会話がかみ合わない」とお嘆きの女性部下の皆さん。女性と男性は脳の構造が違うから、悩んで当たり前なんです。その上で会話の先手を打てば、今よりいい関係が築けるかもしれません。 - 「字がキレイ」と言われたい 悪筆がすぐ直る11の技
あなたは字がキレイな人ですか? 恥ずかしながら筆者はキレイではない人です。が、直筆を見せる機会がないのをいいことに今までやりすごしてきました。折りしも「1時間で変わる自分の名前の書き方」という早朝講座が行われるのを知り、半信半疑で参加したところ――。 - ギクリ連発!? 「まんだら塗り絵」で“裸”にされてみた
曼陀羅(まんだら)に好きな色を塗るのが「まんだら塗り絵」。早起きして勇んで挑戦したら、あれよあれよと早朝から心を丸裸にされてしまった。なんだかすごいパワーがありそうなこの塗り絵の正体とは? - 自信をもって進むには? 狂言師に聞いた客観視する方法
「ハーハッハッ」が「笑い」の表現。じゃあ「へーへッへッ」は何の表現?――といってもこれ、なぞなぞでなく狂言の話だ。現在29歳。狂言の道を進む茂山逸平さんが道に迷った時取った行動は、「今の仕事を続けるべき?」と悩むビジネスパーソンの道しるべにもなりそうだ。 - 桂小春団治流、初対面の人と打ちとける3つの糸口
上方落語の桂小春団治(かつらこはるだんじ)師匠が講演会場を笑いで染めた。早朝イベント「朝EXPO in Marunouchi 2008 spring」最終日、4月25日の早朝だ。笑いをとりつつ「さすが話術のプロ!」と来場者をうならせた、小春団治流初対面の人との距離を縮めるコツや会話術とは。 - 周囲への「香害」要注意、上手に香りをまとうための3カ条
気温や湿度が上がるに連れ、周囲のさまざまなニオイに気づきやすくなるもの。気づいたあなた自身も、周囲から見たらニオイの1つだ。蒸れる季節を控えた今こそ心得ておきたい、人に好まれる「香り」のまとい方とは? - コツは呼吸と半眼、“カンタン座禅”でいつでもどこでも集中する
4月25日まで開催中の早朝イベント「朝EXPO in Marunouchi 2008 spring」。23日の朝は、初心者向けの朝座禅の体験会に赴いた。座禅は集中力を高めるのに役立つ。通勤電車やオフィスなど、場所を問わずいつでも実践できる方法を紹介しよう。 - 悩める「プチうつ」にお絵かきアートセラピー
気分がふさぎがちで治らない。でも病院に行く一歩が踏み出せない――そんな「プチうつ」時に気軽に参加できるのが、一般向けに開放されたアートセラピーのワークショップだ。最近では企業研修でも導入されるようになったアートセラピーに迫る。 - 朝の目覚めにバンバンバン! バンダイが“射撃”で止める目覚まし時計
ぼんやりしがちな朝に、“射撃”ですっきり――。そんな目覚まし時計「Gun O'clock」をバンダイが発売する。 - 「21世紀型いい男」は1日にして成らず、メタボ撃退5習慣
今週1週間、丸の内で開催される早朝イベント「朝EXPO in Marunouchi 2008 spring」に、当編集部内「早起きは三文の得」実行委員が潜入。向かうは「21世紀型いい男」がテーマの講演だ。ここで言う“いい男”とは。一生いい男でいるためのメタボ撃退5習慣とは。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.